一馬と大輔と郁人

――――――――――……………


 揉め事から、2時間後。



「疲れたー…」



 高森が運転する車内。

 きっと高い素材の革で出来ているんだろう。

 座り心地抜群のシートに身を預け、ありったけの二酸化炭素を吐き出す勢いで溜息を吐いた。



「本当、お疲れ様でした。みんなに囲まれてましたが、大丈夫でしたか?」


「みんなにって、呑気な事言わないでくださいよ。一馬さんどうするんですか? 」


「あー…、一馬は気にしないでください。僕もどう対処すればいいか戸惑っていたんですが、どうやらハッキリものをいうタイプの女性が好きみたいですね。良かったです」



 高森の気持ちを否定せず、一馬さんだけは責める形になったけど。

 余程水川家との繋がりを失いたくなかったのか、一馬さんはあれから一転、謝り通しだった。

 そして何故か、お店へ来ることを強く推してきた。

 「スタイリングする!」とか、「オーダーメイドもいつでも出来るから!」とか。

 いや、私はどちらかと言うと〇〇クロとか〇ーユーとか〇まむらが好きですから。

 値段が高い服は落ち着かないからあまり好まないんです。



「良くないと思ますけど…?それにあの2人もなんか凄く懐いてきたんですけど? 私の方が年下なのに…」



 高森と一馬さんの喧嘩の仲裁に入った2人は、やはり一族の後継者で、高森 大輔だいすけさんと、高森 郁人いくとさんと言うらしい。

 どちらも不動産業で、「あぁ、あの商業施設やビルの…」と、双方ともすぐ名前が挙がるくらいの有名な企業だった。

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