第17話 中華料理のテーブルは日本の発明
「おい…テメェ」
「なにかしら?」
「説明してもらおうか?」
「……そうね…」
時刻は朝8時、予期せぬタイミングで天界にビュンッされたミリアと白虎ハッカ。
まさにシャワーを浴びていた最中であった。
白虎ハッカ、まだ寝ている。
ミリア当然、裸である。
手にはカミソリを握っていた。
「なんか言うことあるだろがい?」
「そうね、ひとつ言うなら肌荒れるわよ」
「そういうことじゃねぇやろがい‼」
「わざとじゃないわ、忘れていただけよ、アナタが風俗嬢を目指していることを」
「プレイの前のシャワーがマナーってか‼」
「いや、なかには、即って人もいるわ油断しないでね、でもそういう人って臭い方が興奮するらしいわ」
「着るもの‼」
「……白衣しかないわよ」
「マジか?」
「ココ家じゃないのよ職場なの、白衣しかないわ…洗濯前の」
「ミリミリ…あと30分で皆来るんちゃう?ワシなんか興奮してきたわ、久しぶりやしね玄武と朱雀」
「その前にね、私マッ裸だから、頭おかしい人になるから」
「大丈夫よ、皆解っているわよ、この前の感じで」
「いいから白衣よこせや‼」
「いいの?」
「このさい洗濯前でも我慢だ」
「そういうことじゃないわ、マッ裸に白衣ってもはやプレイよ…裸で対面と裸白衣の2択で、ソッチでいいのね?」
「オメェのせいだろうがい‼ その2択に絞られたの、オメェのせいだろがい‼」
「……なんで…白衣?」
9時ジャストにビュンッされた面々、ミリアの白衣の違和感、シータが素直に聞ける性格で良かったと思うヒスイとアスカ。
「聞くな…」
「そうね、嬢には秘密がいっぱいあるものよ」
なんか円卓を囲んで座った面々と机の中央でワイワイと騒ぐ四聖獣。
見ていると白虎ハッカと青龍ニョロは相性が悪いようで、朱雀トリピッピは白虎ハッカを下に見ている風、玄武ハンマはまとめ役であり、青龍ニョロと朱雀トリピッピは上辺の仲良し…。
「総じて仲良しではないが仲間意識はあるのが四聖獣よ」
スパッと一言で関係性をまとめたDrキリコ。
「集めた意図をお聞きしたいのですが?」
ヒスイはシックなパンツルック。
「ウチ連絡先交換したら帰りたいしバイトあるし」
アスカは巫女の衣装。
「だから…なんで…白衣?」
シータは安定のゴスロリ。
「オメェ、アタシの白衣の前に超えておかしいのいるだろがい‼」
ミリアがアスカを指さす。
「…えっ?ウチ? 実家神社だし、週末実家でバイトだし時給1200円」
「割と時給いいじゃねぇか」
「あぁそれでアスカさんは選ばれたということですねDrキリコ」
「いいえ、違うわ」
「…まさか…霊的な能力が?」
「違うわ、ギャルで巫女って面白そうだったからよ」
「ウケる~」
手を叩いて笑うアスカ。
「そうね選んだ理由が知りたい?」
「興味はありますわね」
「じゃあ順番に行くと、この裸白衣は~」
「おい‼」
「えっ…裸…白衣?」
「まさか白衣の下は裸ですの?」
「ミリっぴ、ウケる~」
「言うなや‼」
怒鳴るミリアを無視するDrキリコ。
「この裸白衣は車に跳ねられた姿が面白かったからよ」
皆が「えっ?」って顔でミリアを見る。
「その後が忍ね、やっぱ陰キャは欲しいなって丁度いいのが歩いてたから目の前に青龍の卵を落としたら迷わず拾ったわ」
「青い卵…竜の卵だと…信じてた…ウフフ」
「オマエ疑えよ…マジで」
「その次に陽キャを探さなきゃってなって…巫女ギャル」
「ウチ神託とか在りえるし」
「ねぇだろ…なんだよ神託って?」
「赤い卵が枕元にあったし、ウチ動物好きだし」
「最後は、まとまりがないな~って感じでヒスイにDM送ったわ」
「XのDMで来ましたわ…玄武育ててみませんか?って」
「…ソコは信じちゃダメだろ…作者はイエメンの女兵士からDM来たらしいけどな」
「以上よ、100年寿命は保証されてるの、死んだら特典付いてくるし来世も安泰よ文句はないわね、これから4人で馬車馬のように地上の怪異を刈り取りなさい‼」
ドンッ‼
「ドンッじゃねぇよ…怪異ってこのまえみてぇのか?」
「そうよ、あんなん小物よ、まだまだ、ほとんど神みたいなのもいるわファイトよ‼」
「死ぬわ‼ あんなんで雑魚なら神クラスでてきたら死ぬわ‼」
「死なないわ…死ぬほどの苦痛を味わうだけよ保証されてるから手足が捥げてもドンマイよ‼」
「手足が?捥げる? ソレくっつくのかしら?」
「……ドンマイよ‼」
「…欠損…したまま…なの?」
シータがあからさまに嫌な顔をしてDrキリコを見た。
「ほら人間って手足は生えてこないじゃない、そういうことよ」
「ワロエナイ、さすがにウチもワロエナイわ」
「保証はしないけど、まぁ元にもどるように精いっぱい努力はするわ、約束する」
「あっ、だからココ手術室的な感じなのか?」
表情が強張っていた4人、ミリアの一言で皆一応ホッとした表情に戻る。
「違うわ‼ 手術と魔術を混同しないでほしいわ…精一杯そうならないことを祈るわ…神に」
皆、終始言葉少なめに連絡先を交換して、その日は解散した。
別れ際、皆は目を見合わせて無言で力強く頷いたのは…。
(コレ、マジで組んどかないと100年五体満足で天寿を全うできない案件だ)
と実感しただからだ。
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