第16話 難アリ

(不思議ね…全員が対人関係に問題があるわ…)

 自分で選んでおいてなんだけど。

 Drキリコ、モニター越しに様子を観ているわけで、終始、口数は少ないまま早や15分が経過していた生徒会室。

(ここの時計、秒針こんなにうるさかったかしら?)

 放課後を毎日生徒会室で過ごすヒスイがそう思うほどに沈黙時間が長い。

 上座に座るヒスイから見て右手にミリア、すでに片足を椅子に乗せ顎肘で自分とは目を合わせない、正面からは生パンが丸見えであろう。

 ちなみに今日はキャラクター綿パンである。

 その横でエナジードリンクをストローで飲んでいる忍ことシータ。

 そもそも口数が少ない、正面のギャルをマジマジと観察している。

 ヒスイの左手ひとつ開けて座る白ギャル飛鳥(アスカ)片時もスマホから目を離さない。

 水槽に目をやれば玄武ハンマと朱雀トリピッピが楽しそうに話している。

 いよいよ、この時間の流れなさにイラッときたヒスイが口を開いた。

「改めて、話しましょう…今度は各々の四聖獣も連れて」

「うぇ~い」

「……いつ?」

「そうね、土曜日の9時ココで」

「誰がリーダーか決めるんだな? やってやるぜ‼」

 現在、暫定最弱と思われる白虎ハッカの飼い主が不敵な笑みを浮かべる。

「ウチ、リーダーとかしたくないしパス」

「…私も…別に…独りでもいい…」

「ということはテメェとタイマンだな、おぉ!?」

 下から覗き込むようにヒスイに顔を近づけるミリア。

「別にリーダー決めようとは思ってませんけど?」

「じゃあ何しに集まんだよ?」


 PiPiPiPi…

 ミリアのスマホに着信

「あんだよ‼」

「はぁ~バカの考え何とやらってね…」

「せめてバカの方にボカシいれろや‼」

「知ってる?ボカシってね見せられないところに入れるのよ、あなた無修正のバカじゃない? 今更隠せないわ加工なしでブログあげて身バレする風俗嬢みたいなもの

 よ」

「……よくわかんねぇ…」

「そうよ、それが貴方よ、それでいいのよドンマイ」

「何の用だよ‼ なんか場が荒れてんだよ‼」

「観ていたわ、でもね場が荒れているのではなく荒れているのは貴方だけよ」

「なんとー?」

 周りを見れば、すでに皆帰り支度。

「お前等ー‼」

 ミリアの大声にビクッとなるシータ。

「いいわ、ミリア、スピーカーにして頂戴、いい?…コホンッ集まる場はコッチに来なさいワタシのラボで話すわ…なんか色々」

「なに?」

「いい、よく聞いて、土曜日9時にワタシのラボに集めます…OK?」

「……上等だコラッ‼」

 数秒間、頭で咀嚼して理解したミリア。

「何が上等か解らないけど、なんか一応ありがとね、そういうことで勝手に転送するから風呂とかトイレとか関係ないから、9時ジャストにビュンッだから気を付けなさいね、じゃね」

 通話は切られた。

「………じゃあ皆さんそういうことで今日は解散」

 ヒスイが締めて、その日はモヤッとしたまま解散となった。


「…つうわけだから」

「さよか~ほな、皆集まるんやな~ミリミリ、お土産何にしよ?」

「なんで土産?誰に?」

「なんかキリコはん家とか、一応お呼ばれやん」

「家というか、アソコな研究室的な場所、お呼ばれ?なんか強制召喚的な感じでビュンッとか言ったけど? 9時にビュンッ」

 ミリアが天井を指さす。

「すごいやん、生きて天界に呼ばれるなんてミリミリ凄いわぁ~、コレもワシというパートナーを得たおかげやんな~」

「うん…なんか…その件で特に良かったことがない」

「なんでや、お世話できるだけで名誉職やで、アンタ、前の世話係なんて毎日ワシを拝んでたんやで」

「……信じがたいわ、その人大丈夫?」

「ミリミリ、オマエが天寿を全うした暁には、そりゃ凄い特典が付くんやで…内緒やけどな」

「今がいい…」

 ボソッとミリアが呟く。

「なんて?」

「今、NOW‼で特典が欲しい‼」

 PiPiPiPi…

「なに?」

「その特典がアタシのラボへの招待とは考えれれないのかしら?」

「思えない、なんなら行きたくない」

「信じられないわ、アタシ天使なんですけど、逢いたくても逢えない、すべての人類に謝りなさいスカスカの脳みそを垂れて謝りなさい」

「……土曜日にビュンッしたら、オマエをバチコーンと殴る」

「なんてこと…天使を殴る? 聞いたことないわよ、そんな人類」

「絶対殴る…全力で、全人類のために殴る」

「アンタごときが人類を背負うんじゃないわよ」

「ついでに、あの眼鏡も殴る…その後、あの亀の甲羅割る」

「なんやてミリミリ、玄武の甲羅を割るんか?」

「…割る…トンカチでゴンッする」

「なんてことかしら、私はとんでもない悪魔に白虎を預けてしまったわ」

「このネコ…返す…返却する」

「その場合、死ぬわよ…忘れたの? 条件付きで生かされてるのよ」

「……あぁぁぁああぁぁー‼」

 改めて自分が、目の前のネコの世話を100年しなければならないのだと思い出したミリア。

 謎の雄たけびをあげ、家族に心配されながら眠ったのである。

 そして…土曜日。

 ビュンッ‼




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