第21話 戦闘なんだぜ

「ガウッ!」

 おかしい、なんかいつもより攻撃が通らない。

 なーぜーだー?


 昼間なら白狼覚醒が強いはずなのに

 ……あ! 今昼間じゃないや!


 暮れなずむ森の光と影の狭間な時間だった!


 やっば、黒狼覚醒してもやっぱり弱い時間帯じゃん!

 なんか、ないか……うぉ!


 くっそー攻撃が激しくて考える時間がねぇ

 せめて、一瞬でいいから攻撃が止んでくれれば……。


「グガァァ」

 ちくしょう!


 そんな時に何かが化け物にぶつかった。

「ユリカ! 犬! 大丈夫か!」

 あ、お兄ちゃんだ。


 しっかし、犬……犬って……せめて名前呼んでよー。

 おっと、今はそれどころじゃ無いや、ユリカ! お兄ちゃんに時間稼いでってお願いして!

 こいつ倒す方法考えるから!


 ユリカがコクンと頷く。

「お兄ちゃん! ポルテがなんとかするから、それまで時間稼いで!」

「何言ってんだ! 俺がこいつ倒してやる!」


「無理に決まってるから! ポルテの踏み台になって!」

「くっそー! 分かったから早くしてくれ!」


 ふっふっふ、俺の才能をみくびるな!

 もう、解決策は出ている!


 問題はやった事ないから出来るかどうか分からないのと、なんか反動ありそうで怖いからしたくないだけだから!


 でもやらないと勝てそうな気がしないし!

 行くぞ!

 白狼覚醒と黒狼覚醒の同時起動!


 名付けて黒白覚醒!


 ん? あれ、コレ制御難しいぞ……あ、ヤバい! コレ暴走するかも!


「ウォォォォォォン!」

 あ、意識が……保て……ない……。


 ー ユリカ目線 ー


「ポルテ! ポルテ!」

 ポルテが私の言葉に反応しない!


 ダメ! ここで挫けちゃダメ! 私はポルテの主人あるじなんだから!

「ポルテ! あの化け物を攻撃して!」


 あらん限りの精神力をポルテと繋がってるパスに込める。

「グ、グルァァ!」


 ポルテが化け物を攻撃しだした。

 必死に制御する。


 ポルテの意識は戻った時に、ポルテが悲しまないように、落ち込まないように!

 絶対笑って平気だよ! 私がちゃんと制御しているからって言ってあげるんだから!


 お兄ちゃんとポルテの奮闘でなんとか倒すことが出来た。


「終わったよポルテ」

 戦闘が終わったと気を抜いた瞬間!


「ポルテ!」

 ポルテが私に噛み付いこうとしてきた。

 じゃれるような甘噛みじゃ無い、モンスターに攻撃する時のあれだ。


 ポルテの暴走はまだ続いていた。


「キャァァァ!」

 殺意が私に向く。

 叫ぶだけで何も出来なかった。


「ガ、ガァ……ガガッ……ガッウン!」

 ポルテが自分の前脚で自分を殴る。



 そして力尽きたようにそのまま倒れた。

「ポルテ! ポルテ!」

「カーッ、カーッ」

 ポルテはイビキを書いて寝てた。


「もう、ポルテったら……」

 私は大切な家族を優しく抱きしめた。


【後書き】

 お読み頂き、ありがとうございます。

 

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豆腐の角に頭ぶつけて転生したら豆柴だった 山親爺大将 @yamaoyajitaisho

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