日暮れが早くなった季節を実感しながら読むと、また一段と綺麗な一篇。

北国の鄙びた漁師町の小さな派出所に、小学生の女の子たちが「大事件」と言って駆け込んで来ます。

「女の人が鳥居で倒れている」と。

子どもたちと共に警官はそこに駆けつけますが、予感にかられて子どもたちを帰します。

あっという間に薄闇に向かうなか、彼が目にしたのは──。

素朴な日常と町、子どもたち。そして季節の移り変わりのように当たり前に溶け込んでいる神域と神聖。

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