ルーカス ③

「リナがいなくなってから、僕達は━━

まぁ、色々あってね……。

どこから話したらいいかな。


あぁ、まずは父のことからかな。

父が、引退を決めたんだ。」


「旦那様が? もう引退する年齢になっていたの……」


「いや、特にそういう訳ではなくて。

父なりに僕たちに気を遣ってくれたのだと思う。

自分が退いた方が、サラも居心地がいいだろうし、二人で商会を守っていってほしいと。

 

父の意志を継いで、当然サラと共同責任者になるものだと思っていた。


だが……商会の責任者はサラ一人。僕はサラの補佐役。

まぁ、別に役職にこだわっている訳ではないから、別にそのことは構わないさ。

この商会と、従業員達の生活を守っていくことが僕の責務だと思っている。


だから、リナがいた時となんら変わってないよ。

ただ、父がいなくなっただけ。


あぁ、違うな。度々困ることが起こっている。」


「困ること?」



「あぁ。責任者の署名が必要な時。

急ぎの書類の時は本当に困るよ。

だって━━サラがどこにいるのか分からないから」



「え……?」


居場所が分からないって、どういうことかしら。

一緒に暮らしているのではないの?

踏み込んで聞いていいのか分からない。


そんな私の疑問を感じとったのか、ルーカスは説明をしてくれた。


「サラはね、仕事熱心だよ。社交性もあるしね。ただ、婚約してからも、貴族の生活が捨てられなかったんだろうね。。

貴族の集まりにも、積極的に参加してたようだよ。

 

上流階級のお得意様も増えて、商会は潤っている。商会にとってはいいことなんだろうね。従業員達への臨時ボーナスも上げられる。


サラを悪く言う人なんていない。


ただ、商会にサラが滞在することがあまりなくなったよね。


ひと月商会を留守にすることも珍しくないし。あぁ、そうそう、ひどい時は半年くらいいないこともあったな。

さすがにその時は、臨時代理として方々へ連絡するのに大変だったよ。


毎年の隣街への交渉も、必然的に僕一人の役目となるしね。


本当は、単なる道楽なんじゃないかって疑いたくなるよ。


こっちは、人生を振り回されたというのに……」




ルーカスがこんなにも、嫌悪感を露わにするのは珍しい。


手で胸元を掴み、

苦悶の表情を浮かべている。


違う!!


苦しいんだわ!


「ルーカス!」


崩れ落ちそうになるルーカスに、

手を差し伸べたけれど間に合わなかった。


ルーカスは苦痛に顔を歪めながら倒れ込んでいた。

 


✳︎✳︎✳︎

(今話のあとがき)


読んでくださりありがとうございます!

フォローや応援大変嬉しいですm(_ _)m


今話は短く申し訳ありません


最終話まで書いているのですが、改稿中のためご容赦ください


最後までお付き合いいただけますと幸いです。


先日、怪我をしまして、激痛に苦しんでいました。

これは、もしかして何か当たるのでは? 


と期待しましたが……逆にフォローが減っていました

(フォローしてくださっている皆様、本当にありがとうございますm(_ _)m

どうぞ気軽にフォロー&解除お願い致します。)


宝くじが当たるかも……と欲深い願望を抱きましたが、購入できませんでした


良い事と悪い事が交互にあるのかな、と勝手に思い込んでいます。

きっと厄落とせたので、良い事があるかなと期待しています。


皆様も、体調管理に気をつけてご自愛ください。


なるべく近日に更新予定です

宜しくお願い致します





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