終わり
あれから、学校は転校した。転校しても、やっぱりトラウマがあったから、いじめられるんじゃないかと怖かったが、私の自己紹介の緊張が伝わったのか、一人のお調子者の男子が、「がんばれー」と言ってくれた。そのお調子者の影響は絶大で、みんなが「がんばれー」と励ましてくれた。高校生にもなって、恥ずかしいが、何とかなった。
隣の席の子が声をかけてくれて、友達になれた。友達と一緒に帰った日の終わりは、嬉しくて舞い上がりそうだった。
もし、何かがあっても、お母さんに言えば大丈夫だと思ったら、心は軽かった。
先輩には転校してから会ってない。転校前の、最後に先輩に会った時、「私を、守ってくれてありがとうございました」と言ったら、顔をおさえて泣いていた。それを見て、私も泣きそうになったけど、先輩がいなくなってもやっていける、という証明のためにぐっとこらえた。
これからの人生で大変な困難にぶち当たるかもしれない。でも、私の一生の味方が二人もいると思うと、私はやっていけそうだ。
秋の空には鰯雲がどこまでも、どこまでも続いていた。
鰯雲のつづき 朝日翼 @asahi-tsubasa
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