第47話:あの・・・パンツ見えてまふけろ。
(なんか・・・いいか悪いか分からないけれろ、とりあえず収まるところに
収まったんじゃないらろうか・・・)
と部屋の隅っこで見ていたベンジャミンは思った。
これで安心して健斗とパンは誰に気兼ねなくセックスが思い存分できるように
なった。
しかし・・・・これでゼヌスの妻のエマからの嫌がらせが終わった訳じゃない。
でも、それだけはエマが諦めない限り終わらないと憂鬱は続くなって健斗は思った。
そんな状況の中でも楽しいこともあった。
吉岡君が言っていた通り、健斗とパンは吉岡君とロゼ四人でディズニーランド
へ遊びに行った。
もちろんベンジャミンもいっしょだった。
さすがにニンフどうし、パンもロゼもめちゃ短いスカートを二人お揃いで
履いていた。
ふたりはもう普通にギャルだった。
「同じ種族だからファッション感覚が似てるんだな」
「つうか・・・俺たちの服の好みのレベルが一緒ってことだろう?」
吉岡君が言った。
「そうだな・・・」
「おまえんちも、ロゼの服とか揃えるの苦労しなかったか?」
健斗は自分が苦労したこと思い出してそう言った。
「俺んち、妹がいるからな、服は着なくなったお古をもらってきた」
「あ〜そうか・・・妹な・・・いいな妹がいて・・・」
「でも下着はお古って訳にはいかないだろ?」
「おう、さすがに妹にパンツくれってのは言えなかったな・・・」
「だろ?やっぱりおまえもスーパーのパンツ漁ったクチか?」
「俺が、そんなカッコ悪いことするかよ」
「じゃ〜どうやって?」
「そんなのマンションや住宅街歩いてると、いくらでも物干しに干してあるじゃん」
「え、他人のパンツ盗んだのか?」
「そんなのは、これ見よがしに干してるほうが悪いんだよ」
「盗んでいいよって言ってるようなもんさ・・・」
「え?おまえ、盗んだ人のパンツ、ロゼに履かせてるのか?」
「洗ってるから大丈夫だろ・・・」
「そう言う問題じゃなくて、人のパンツだろ?」
「あなたたち、低レベルな話、してまふね・・・」
「そんなモノ欲しかったら私に言ってくだされば何枚でも出してさしあげ
まふのに」
「俺の時はまだベンジャミンがいなかったし・・・」
「それにどっちにしても泥棒じゃないかよ・・・ったく」
「でふけろ・・・恥かしい思いをしたり犯罪者として捕まるよりはましらと
思いまふけろ・・・嫌ならいいんれすよワテは」
「そうか・・・それはたしかに言えてるな・・・もうカップ麺も出して
もらってるしな」
「分かった・・・俺好みのパンツ、ネットで物色しておくわ・・・」
「俺も便乗していいか?」
あわてて参加しようとする吉岡君だった。
「そんなレベルの低い話ができてるってことは平和って証拠れふね」
「このまま何もないといいれふけどね」
ベンジャミンは手をつないで前を歩くパンとロゼを見ながら心からそう言った。
ディズニーランドへ行ったことない人なんかいないと思うのでみんなが
アトラクションで遊んだ模様は、はしょります。
楽しい時間は、あっと言う間に過ぎて帰りの電車の中でパンとロゼは
ふたりとも遊び疲れてて、電車が走り出した途端、爆睡してしまった。
「意外とこのふたり意気投合してたりして・・・」
と健斗。
「ディズニーランドでもふたり仲良くやってたしな・・・」
寝てるふたりを見て吉岡君はそう言った・・そしてこう言った。
「でもディズニーで野郎たちが珍しそうに、ふたりを見てたな・・・」
「片方は耳尖ってるし、片方は耳の他にツノまで生えてるんだからな」
「みんなコスプレかなんかだと思ってるさ」
健斗は確信的に思ったことを言った。
到着した駅のホームで、健斗はパンをおんぶして、吉岡君はロゼをおんぶして
右と左に別れた。
「ツノが邪魔なんだけど・・・」
吉岡くんはロゼのツノを、いつか切ってしまおうと思った。
「またな、健斗・・・またな、ベンジャミン」
そう言って吉岡君はロゼをおんぶしたまま夜道を帰って行った。
「お気をつけて・・・困ったことがあったら、いつでもおっしゃってくらはい」
ベンジャミンは遠ざかる吉岡君に聞こえるように大きな声で言った。
「おう・・・また今度頼むわ・・・じゃあな」
そう言って吉岡君は手を振った。
すでに空には綺麗な星が輝いていて明日も晴れそうな気配だった。
ベンジャミンは健斗に、おんぶされてるパンを見て言った。
「あの・・・パンツ見えてまふけろ・・・」
「あ〜俺は見えないんだけど・・・パンのパンツ見たいわ、まじで」
「でもさ、ここで見ないほうがいいよな、見たら寝てるパンをやっちゃい
そうになるから・・・」
「女性アレルギー克服したらその反動が出るんれひょうかね・・・」
「健斗さん、まえよりスケベになってましぇん?」
健斗は苦笑いしてパンをおんぶしたままベンジャミンと一緒にアパートに
帰って行った。
健斗のアパートの前のゴミ箱にはベンジャミンのバリア「結界」が貼られた
はずだったが、あまり効果がなかったのかそれからも異世界からいろんなヤツが
入り込んできて、その界隈は徐々にどんよりとした空気が漂う混沌とした街に
変わろうとしていた。
つづく。
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