第40話:お互いに引かない女。

ロゼは、ずけずけ部屋に上がり込んできた。


ベンジャミンは雑魚キャラが入って来ないようとりあえずゴミ箱に再度バリアを

「結界」張りに行った。


上がりこんだロゼは部屋の中を見渡した。


「人間っつのは狭っ苦しいところで暮らしてるんだな・・・きゅ〜くつ」

「で?なにしに来たって?私に聞いた?」


「とにかく座ったらどうです?」


「ほんじゃま」


ロゼはよいしょっとパンの斜め前にあぐらを組んで座った。


「曽我部っちに用事があるって自分で言っといてもう忘れたんですか?」


「ああ、そうだったわ・・・ケントを誘惑しようと思ってたんだ・・・」


「あなた、大丈夫ですか?」


「私、時々記憶が飛ぶ時があるんだよね」

「おやじの誕生日とか毎年、普通に忘れてるし・・・」


「若いのにもうアルツハイマーなんですか?」


「あるつ?・・・はいま〜、って?」

「あ〜説明しなくていいよ・・・私のはただのど忘れだから」

「自分のプロフィール覚えてたらあとは忘れてもいいことばかりだし・・・」


「まあ、とにかく・・・曽我部っちは私のカレシですからね」

「手は出させませんよ」


「そんなの別に誰のカレシでも関係ないし・・・」

「そう言う固定観念は持たないし・・・誰とでもセックスやるし・・・」


「なに言ってるんですか?、貞操観念持ちなさいよ」


「あんたこそ何言っての・・・あんただって人のこと言えないだろ」

「あっちにいる時、何人の男と寝たんだよ」


「それは昔のことです」

「今は曽我部っち一筋ですからね」


「ふん、ニンフのくせにしおらしいこと言って・・・」


「あなただってニンフでしょ」


「ふん・・・ケントがダメなら別にあんたと寝てやってもいいけど・・・」

「私からしたらケントでもあんたでもやり殺したらそれでいいんだから」

「女でも殺せるからね」


「私、女の人に興味ありませんから」

「それに曽我部っちを誘惑したって無駄ですよ」

「彼とセックスできるのは私だけですから」


「大した自信ね・・・そんなのやってみないと分かんないじゃん」


「曽我部っちが帰って来たら分かっるって私、言いましたけど・・・」

「先に言っといてあげます・・・」

「彼には女性アレルギーがあって私にしか触れられないんです」


「およよ、それ聞いてないし情報不足だね」


「でも、あんたが大丈夫なら私だって大丈夫かもしれないじゃん」


「そんなことありません」

「とにかく曽我部っちが帰ってくれば分かることです」


「どっちにしても・・・ケントを始末しないと私あっちに帰れないからね」


「始末?始末ってなんですか・・・しまつって」


「始末は始末だよ・・・つまりやり殺すってことだよ」

「男のエキス、全部吸い尽くすの!!」


「なんでそんなことしなきゃいけないんですか?」


「エマ様の差し金れふからね」


いつの間にかベンジャミンが帰って来ていた。


「どうしても私たちのこと引き裂きたいんですね、あの人「エマ」は」

「私たちのことはもう諦めたんじゃないんですか?」


「諦めてなかったようれふね」

「女の嫉妬は執念深くて怖いのれふ」

「もっとも私はエマ様のおっしゃることなんか信用してなかったれふけろも・・・」


「分かった?だからね私、なにもしないでは帰れないの」


「曽我部っちがあなたを受け入れなかったら、その時はどうするんですか?」

「あなた永久に異世界へは帰れませんよ」


「だから、そんなのケントが帰ってきたら分かることだろ」

「ケントは私とセックスしたら、あんたのことも過去のことも全部忘れて、

ただの生ける屍になるんだよ」

「無理に殺さなくてもそれだけでも私の目的は果たされるの」


「そんなことはさせませんし・・・だいいち曽我部っちをあなたとなんかと

セックスさせませんって、さっきから何度も言ってるでしょ」


「させない、させないって、うるせい女だな・・・」

「ふん、そこまで言うなら面白い」

「ケントが帰ってくるのが楽しみになってきたな」


「ベンジャミン・・・なんとか言ってくださいよ」


「試しにロゼさんにもカップ麺って手はどうでひょう」

「毎回で芸がないでふけろ」


「・・・・・・」

「そうだ・・・ところでロゼあなたカップ麺食べます?」


つづく。



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