第47話「安保条約」
「白瀬よ、」
「なんでしょう無鉄砲な先生」
「私のどこが野蛮人だ、君の飛躍した脳ほど、危険なものはないよ、ちゃんと頭に注意書きしとくんだな、この割れ物め」
「せんせいっていつも言い合いにしますよね。ほんと言いがかりばかりで参っちゃいます」「君が節操のないことを言うからだろう、もっと鍛錬した言葉を使えという忠役の問いさ、もっと自問しろ、そうでなくては。いつまでたっても尻に敷かれるぞ」
「そうですか、そのようにして先生はなにを重きにおいているのでしょうね」
「そんなの決まっている、イーブンタイト。国家和平を求めてはなしてるのさ」
「ここで話して和平につながるのですか?」
「そうだとも幸せとは、身内から浸透するものだ。国民が善良であれば。国家も善良である、これは正しいことだよ」
「なるほど、では平和を目指していきましょう」
「ああ、ではまず朝ご飯を所望する」
「なんですかそれ、それって平和と関係ありますかね」
「いつの世も歴史を変えたのは、思いつきに本気で取り組んだものだけだよ」
「しかし。なにをすれば平和を願えるでしょう」
「そうだね。思いついたぞ、例えば。私が幸せなら、それすなわち平和だろ」
「まー確かに。平和の前兆には幸せが必要ですか、私利私欲に聞こえますね」
「なにを言う。早く飯を持ってこい。でなくば。世界がお蔵入りするぞ」
「まったく。大抵の無平ものですね、これでは武器すら売り出せませんよ」
「なにを言ってる、確かに戦争で設けるには、武器の貯蔵が大事だ、しかし子供にもたせる銃はない、満を持してあるとすれば。自殺用の銃だね。子供を生かす世界は。きれいでなくてはいけない、よって親には子を殺す権利がある、それは鉄則のルールだ、我が子が将来人を殺すと思うと親も気が気ではないだろ」
「先生、あなたは間違ってます。死んでいい人なんていません、まして命を奪うなど、あまりに非道徳的です、」
「ではこう考えてみろ、戦争を続けたいのか?永劫に?決着をつけるために人類を一新するこれは死を持って満了される、だから、処していいのさ、それが未来だ、未来のためだ」
「でもそれは、しかし、いえ、わかりません、本当に戦争を止めるには、兵士不足にするってことですよね、でもそれで命を奪うなんて、もっとうまいやり方はないのですか」
「ないね。事実戦争が消えた瞬間なんて一度もない、世界事態が、戦争を欲してる証拠だ。だからね、殺人だって一生涯、起こりうるリスクだ、その最たるものつまり戦争は、人道的な対処法だよ。だから戦争は消えない、あるとしても、消えるのではなく、停戦となるだけ、だから兵士不足を作り、そこに対して、絶対の課税をもうける、これによって資金源が国に満ちて、異国間交流ができる、つまりね、白瀬、世界に資源が少ない、誰かを生かすための戦争なんだ、悪いとはいえんだろ、そうでもしないと罪なき人が死ぬ、それは最も私の嫌うところだ」
「罪なき人が死ぬのは確かに許せませんが、それでも戦争こそが最も悪いのではないですか、誰かが裁かなければ、いつになっても終わらないのではないですか」
「そうだね、兵士に罪はない、それがいいたいんだろ、皆まで言うな」
「はい、しかし、戦争の大本も、やはり主導者なんですね」
「そうだね、しかしね、白瀬よ、これは国の総意でもある、つまり主導者をとがめようとも、国が失墜する、それで国の秩序が乱れる、だから反感を買ってまでも、戦争をするのだよ」
「そんなのあまりに残酷すぎます、世界はそんなにも非道な場所なんですか」
「例え、みんなが平等の世界が来ても、そこに争いはある、つまり人間とは。ないものを求める、それが人のサガだよ、満たすために、誰かを蹴落とす、そうやって、地位を得たいんだよ、それがあさましくも、補えない、人の豪だよ」
「もう、そんなのって、そんなのって、」
「それでもな白瀬、戦争の利点はあるぞ、」
「なんですかそんなのあるわけ、」
「戦争はね、映画の撮影みたいなもんで、ヒーローが出てくるんだ」
「なにを言ってるんですか、」
「つまり戦争しなくてよくなる、考えがでるんだ、国家連盟安保条約、それだよ、それが時代を一新するんだ、だからね、常に人は、頃合いをめぐって、考えてもいるんだ、だから心配するな次期にいい答えで需要と供給に歯止めがついて、互いが幸せな未来が来る、これだけを言いたかったんだよ」
「そうですか、でもまったく納得できません、犠牲を払ってまで、安保を組むなど、それはもっと簡略化できなかったんですか、こんな方法で死んでいった人はどうなるんですか」
「恵まれない、が死者が出れば、家族は優遇されるぞ、つまり兵士もまた死してなお家族の煮えになっている、死がさほど残酷ではないだろ」
「おかしいです。そんなのおかしい」
「どこがおかしいんだ、死ぬだけで家族を養えるんだぞ、いい話だろ?」
「あなたって人は本当に、残忍です、それ以上に大事なことがあります、死なずとも笑える世界があるはずです」
「はは、白瀬よ、君もまた、善人であるが、世界を知らないだけのようだね、世界などとうに狂っている、これくらいがいい折り合いだよ、」
「おかしい、おかしいです」
「それでも、君は、生きているだろ、出兵すらしてないだろ、これは先人が死んだ事による、死者がくれた蓄えだよ、よって国もまだ戦争しなくとも、養えてるんだ、それをわかるんだ白瀬よ、君もすでに、死者の上に立っている、なにも知らない子だよ」
「もういいです、もういいです」
「ああ、すまないね、白瀬、気を損ねたかもしれない、しかしね、それは生きることだ、だから間違えないでくれ、生きてる以上、彼らを思い、忘れずともに時代をかけてると、その思いが、せめて彼らに安らぎをくれるだろう、だから、それでいい、それでいいんだ白瀬、君は正しい、よ。」
「はい、せんせ、決して忘れません、忘れません、、」
「いい志だ、君こそ安保を考えれる、それが次の平和だ、励め白瀬よ」
「ええ、誰一人失わせないそんな完璧な立案をします、それがせめて私にできる最大限です」
「ああ、健闘を祈る」
「はい」
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