誇り高き鬼姫が選んだ道

 紫焔はただの鬼姫ではありません。彼女は誇り高く、強く、そして孤独を知る者です。だからこそ、誰かに守られるのではなく、共に戦える存在を求めていたのかもしれません。

 そんな彼女の前に現れたのは、型にはまらず軽やかに生きる男。彼は紫焔の力を恐れず、むしろ面白がります。そして何よりも「彼女の在り方」を否定しません。鬼だから、女だから、ではなく、紫焔というひとりの存在をまっすぐに見つめる。その姿勢が、彼女の固く閉ざされた心を少しずつ開いていきます。

 二人の関係は、決して甘やかなものではありません。紫焔は鬼としての誇りを貫き、男はその誇りごと受け入れようとします。戦いの中で、言葉のやり取りの中で、互いの本質を知り、認め合い、やがて二人の強い絆へと変わっていきます。

 そして紫焔が最後に選んだ未来。それは強さと誇りを持ち続ける彼女にふさわしい結末だったと感じています。

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