男女比が偏ったギャルゲー世界に転移しました。なので耳かき屋を開こうと思います!(なぜ?)
@Isogun0307
第1話 プロローグ
「はぁ…。疲れたー…」
仕事から帰宅して、すぐにソファーへと体をダイブさせる。
全くもう…。上司は俺のことを雑に扱いすぎだって。明日明後日休みだからって遅くまで残業させやがって。
今ちょうど少し忙しい時期だからしょうがないのかもしれないけど…やっぱ早く帰りたい。
けど、社会人はこれが普通なのかもしれないな。
俺は二宮聡。大学を卒業して、至って普通の会社に就職をした。とは言ったものの、さっき言った通り残業とかはまあまあある会社だけれど。
けどその分、結構お金も貰えているから、辞めたいとかいう気持ちは少しもない。
多分、このまま会社で働き続けて、普通の人生を歩んでいくんだと思う。
あまりにも残業が多すぎたり人間関係がおかしくなったりしたら、やめるかもしれないけどね。
「…ま、いっか。明日休みだし、今はゆっくり休もう」
俺はそう言って、机の上に置いてあるとある物を手に取る。
「あー…。やっぱ耳かき気持ちええなぁ」
そう、耳かきである。
俺は毎週金曜日に必ず耳かきを行う。
しかも、耳かきの種類も結構多く持っており、竹の物や鉄の物、カメラがついている耳かきもある。
それ以外にも綿棒も箱で買ってあるし、ピンセットや梵天もちゃんと持っている。
仕事での初めての給料も、今持っている耳かき達に使ったぐらいだからな!
それぐらい耳かきが大好きなのだ
とは言っても、耳かきを毎日やるのは耳に悪いから、週に一回にしてる。
週に一回でもあまり良くないんだけど……したくなっちゃうのよ。気持ち良すぎて。毎回顔が蕩けているような気がするもん。
ブーブーブー
「あ、電話だ。えーっと……健からかよ」
スマホを見てみると、健という文字が映し出されている。
健は昔からの付き合いで、めちゃめちゃ遊んでいるし、相談にも乗ったりしている。
そんな健からの電話だから、なんとなく内容はわかるんだよな。
「もしもし?俺だけど」
「お、聡!耳かき中にすまないね」
「なんで耳かきしてるってわかんだよ」
「ん?なんとなくね!」
なんとなくで良くわかったもんだな。
健には耳かき好きなことを言ってあるから、勘で言えば当たるかもしれないけど。
やっぱ長年の付き合いなだけあるな。
「で、明日どっか遊びに行こうって?」
俺は何も聞かされていないけど、すぐにそう聞く。
大体この時間にくる電話ってそんな内容だからな。
「お!理解が早くて助かるねー。新しくできたショッピングモールに行きたくてさ!」
やっぱりね。
それにしてもショッピングモールか。
「あの結構大きいって噂の場所か?」
「そうそう!明日休みなんだし一緒に行こうぜ」
「うーん…。まあ、どうせ明日暇だったし行くか」
俺は少しだけ迷ったが、すぐに行くことを伝える。
本当は少しだけ家でゆっくりしたいという気持ちもあったけれど、行ったほうが楽しくはあるからな。
「よしっ!だったら、明日の朝10時に、そのショッピングモールの近くの駅に集合な」
「わかったよ」
「じゃ、おやすみー」
「おう。おやすみ」
そう一言言って電話を切る。
朝10時に集合か。
確かそのショッピングモールまで電車で1時間ぐらいかかったはず。
そう考えると、9時前には電車に乗っていないといけないのか。
結構朝早く起きないといけないかも…。
「今のうちに準備しておいた方がいいか」
明日の朝慌てて準備をするよりも今のうちにやっておいた方が、朝楽できそうだし。
「そうと決まれば何を持っていくかだな。えーっと財布にICカード、あとはハンカチとティッシュも持っていくか」
俺はどんどんとバッグに物を入れ込んでいく。
何がいるかは正直わからないけど、財布とかの必ず必要そうな物は絶対に入れておく。
あ、それとスマホの充電のために充電器とモバイルバッテリーとかも持っていっとくか。
そんな使わないかもしれないけど、備えあれば憂いなしって言うしね。
「あとはー……」
チラッと机の上に置いてある耳かき達を見る。
うん、俺にもわかっている。これは絶対に必要ないと。けど、これがないとなんか安心しないんよ…!
ずっとやってきたせいか、ちょっと出かける時でも耳かきが欲しいと思っちゃうんだよな…。
やらないと知っていても。
「入れておくか。……もしかしたら、使う時があるかもしれないし」
例えば、健にしてあげるとか。
めちゃたまーにしてあげたりするんだけれど、ショッピングモールに行くとなると……可能性はゼロに等しいかも。
けど、一応ね!!
もう一度言うけれど、備えあれば憂いなしっていうから!
竹の物、金属製の物、綿棒などいろいろなものをバッグに詰め込んでおく。なんなら全種類入れてしまっているかもしれないが、それならそれでいい。
我が人生は耳かきと共に。
……これは少し言い過ぎだな。
「よし、こんなもんかな。あとは風呂入って歯を磨いて寝るだけだな」
今日もやることないし、さっさとすませて寝ちゃおうかな。少しだけ動画とか見るかもしれないけどね。
でも社会人になってから寝るのがめちゃ早くなったんだよなー。
そのおかげで朝も少し早く起きれるようになった。
大学生の頃に比べるとめちゃめちゃ健康的だね。
「…風呂入りますか」
俺はそうして、風呂に入って歯を磨き、そのまま就寝した。
明日が楽しみだ。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「……ふわぁ……めちゃめちゃ眠い」
時刻は9時前。
俺は駅で電車が来るまで待機している。
なのだが…何故かめちゃめちゃ眠いたいのだ。
昨日はお風呂入って歯を磨いたあと、少しだけ動画サイトで動画を見ていたけど、とは言っても30分ぐらいだから22時頃には眠っていたはず。
そして起きたのが7時30ぐらいだから十分な睡眠時間は確保できていると思うんだけれど…。なんでだろうか。
「……あ、逆に寝過ぎたせいとか…?」
確か睡眠時間が長すぎても体にはよくないと聞く。もちろん、短すぎるっていうのも言うまでもないけど。
「でもいつもこれぐらいだしなー…」
眠気のせいかあまり頭が働かない。
この状態だと、今日あまり楽しめないかもな…。
どうせ行くならめちゃめちゃ元気な状態で楽しみたかったんだけど。
「少しだけ電車で寝よっかな。30分寝れただけでもだいぶ違うだろうし」
幸運なことに周りを見てもあまり人がいないから、この感じなら電車でも座れるはずだ。
「お……ちょうどいいタイミングできた」
アナウンスとともに、俺の前に電車がゆっくりと止まる。
中に入ると多少人はいるけれど、座れないと言うほどでもない。
今日は休日だから、もっと人がいるかも予想していたけれど、いなくて助かったな。
俺は近くの空いていた一番隅っこの席へと座る。
やっぱ隅っこが一番落ち着くよねー…。
両隅に人が座っていて真ん中だけが空いてる時があるけど、その時はあんま座ろうとは思わないからね。本当に疲れてる時は渋々座るけど。
「んー…。少しだけ寝させてもらいますか」
あんま電車内で寝るのはよくないことかもしれないが、今の眠気には勝てない。
ほんの少しだけでもいいから寝させてください。
そんなことを考えながら、目を瞑って眠りの世界へと入っていく。
この感じ…すぐに寝ちゃうパターンだな。
しかも結構深く寝ちゃいそう。
目的の駅より前に起きれればいいんだけど……まあ大丈夫か。日本人には目的の駅に着く少し前になったら起きれるみたいな特性があるらしいし。
俺はそのままゆっくりと夢の世界へと落ちていった。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「……はっ!やば。めちゃ寝てたような気がする!」
俺はそう言って、ベッドの上で寝た姿勢から飛び起きる。
もう一度言う。
ベッドの上である。
「……え……ここどこ」
起きて目に入ったのは、どこかもわからない部屋の中。周りを見ると、ベッドや机、テレビといった日常品が目に入る。なんの変哲もない部屋だ。
「え、ちょっと待ってよ。俺…電車の中にいたはずじゃ…」
いきなりのことで頭の中がパニック状態となる。
だって絶対にありえないことが起こっているんだから。電車にいたのにこんな誰のかも知らない部屋にいることなんてありえない
「ゆ、夢じゃないよな…」
おも一気しほっぺをつねって見たけれど、めちゃめちゃにいたいと言うことがわかる。
……現実かー…。
「…ほ、本当にちょっと待ってよ。これが現実だとして……ここはどこだ?」
こんなところにきた覚えもないし、見た記憶もない。
もしかして……拉致られた…?
…今思うと全然あり得る気がする。電車で寝てて気づかれないうちに、ここに運んだと考えるとあり得る気がする。
………
え、それだったらまじで怖くないか?
俺めちゃ泣きそうなんだけど…?
「…ま、まずは動いてみよう。本当にそうだとは限らないから」
そう思いすぐに行動するが、ベッドから降りた瞬間に少しだけ違和感を感じる。
「あれ……少し身長縮んだか?俺」
少しではあるが、見える景色が少しだけ下になったような感じがする。ただ少し感じただけだから、勘違いかもしれないけどね。
て、今はそんなこと気にしてる場合じゃない。
ここがどこか調べないと……
「玄関のような場所があるな…。出れるか確かめるか」
まずは出れるか確かめるのが一番大事。
これで閉じ込められていたら……死を覚悟するね。
「……?!ちょ、ちょっと待って!」
玄関に向かう途中においてあった鏡に映った一瞬の姿を見て、すぐさま鏡のそばまで近寄る。
あ、ありえない…。
何が起こってるんだよ…。
「……こいつ……誰だよ!!!」
鏡に映った自分を見てそう声を出す。
だって、今まで見てきた自分の顔ではなかったのだから。
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見ていただきありがとうございます!
この物語は作者の趣味を詰め込んだものなので、合う合わないあるかもしれませんが、もしよろしければ今後も読んでください。
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