決裂
「そうだ!君の仲間も
「いぇー」「うぇーい」「出たよ、いつもの」「『する
「うるさいぞ!!そこっ!!……ええい、どうせ証人も居ないことだし、好き勝手に
「俺らそこらの盗賊ですよ」「おおっと、これはしたり!」ハッハッハと、わざとらしく笑う。
「…証人がいない?」切田くんは、外にいるはずのマフィアたちを思う。
「ああ、外にいるガバナの戦士どもか?奴らなら
「ふふん。口ばかり
「仲間の『スキル』は強力です」
「…んむ!……それはだなあ…」隊長は
「…僕は一体、これからどうすればいいでしょうか」切田くんが作った
「…まあ、【
「なんとかする方法があるのなら、今までだってなあ…」
「出来るとしたら、仮に【
「スキルを
切田くんはどこか昏い表情で、彼らの様子を見ていた。……突きつけられた剣たちは、
「ああ」「引け引け!」盗賊たちは
「いいから一緒に来いよ。こういう事はひとりで何とかしようとするものじゃない」
「そうそう。思い詰めるのは良くないよな」
「隊長だって、自分が
「余計な
「別に俺らもそれでいいですって」
「召喚勇者
「うちの上の方でだって
「タカ派がすぐに
「うちはスキルと魔法と迷宮頼みの小国だぞ。簡単に切れるかよ」
「すみません。みなさん」切田くんの深刻な声に、盗賊たちは
「うちの隊長はこんなだけど、割とちゃんとしてるからさ」
「ええい、だから余計だと!!」
「はいはい。で、どうします隊長。少年がいればガバナの出先のひとつは潰せますよ」
「そうだな!!少年。……今までよく頑張った。我々は君を、
「…君が
「……待て、少年。……何をしている……?」
「どうかしました、隊長?」「なんです?」盗賊たちがざわめく。
隊長だけがこの場の危険を感じ取り、
――半開きになったドアの向こう。
隊長は
その姿を切田くんは、昏い瞳でじっと見ていた。
(遅い)
「『マジックミサイル』、一斉発射」
壁が内側に、大きく爆発した。
◇
木片や
軌跡を
叫びと同時に振り上がった長剣が、
(なにぃっ!!)切田くんは戦いの
血液が、舞った。
切田くん、そして九人の盗賊たちの身体が
「きぃああああああああああああああああああっっっっ!!!」
「ま、
「けぇええええええええええええええええええっっっっ!!!」何の迷いもなく剣を放り、勢いのままに拳を固めて踊りかかる。喉に拳を突き込まれ、「げうっ!!」
腹にまたがり
「がっ!!」
二度、三度。
四度、五度、六度。
「ぐっ!!、がっ!!」
(死ぬ…!?)世界が
(死にたくないっ!!嫌だっ!!)もがく手先が、何かに当たった。切田くんは
「…むっ!!」
鉄槌が止まる。――脇腹に生えたそれは、見事な装飾が
(嫌だ!嫌だっ!!)
「『マジックボルト』!!」
折れた剣を握る
「…ぐぅっ!!」たまりかねたように
「『マジックボルト』!!」
「…ぐあああああっ!!」隊長は痛みのあまり、のけぞった。
「…
わずかな硬直。……
◇
荒い息を
顔はボコボコに
副長と呼ばれた盗賊が、切田くんの覆面を握りっぱなしでいる。……
水袋の覆面をむしり取ると、副長はわずかに
副長は薄目を開け、
「…何故、こんなまねをした…」
「僕にこうさせたのは、あなたがたの国ですよ。僕はこの国の召喚勇者です。この国の組織さん」
副長は、
「…ははっ…復讐、というわけか…」
「……復讐ですって?」
心外であった。復讐などと考えたこともなかったのだ。胸を激しい不快感が満たす。――『精神力回復』が、ガリガリと異音を立てている。
「…都合ですよ、こんなもの。あなた達はただの、
「…ああ、くそっ…」
切田くんは腹立たしげに言い放った。
「…そこらじゅう痛いな。もう…」
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