依頼
見つけたって……もしかしてあの男が五色の探して男か!!
まさかこんな早く見つけられると思ってなかったけど、なんか取り込み中じゃね?
「嘘よ!!今絶対イカサマしたでしょ!!」
「おいおい負け惜しみは良くないぜ?なんならもう一回ポイントを賭けてゲームしてやってもいいんだけどな。まぁでも次おまえが負けたら0ポイントになっちまうけどな!!ガハハハハハ!!」
うわぁ性格わりぃ……そうやって煽ってまた勝負に乗せる気だろ……
あの女大丈夫か?
「なぁどうするんだ?さっさとしてくれよ一年生?」
「覚えてなさい、絶対許さないから」
女はそれだけ言い残すと、どこかへ言ってしまった。
どうしよう、今話しかけられる雰囲気では絶対ないよな……かといってこのまま待ってたらあの男にトンズラされそうな空気感だし、どうすればいいんだ?
くっそ五色はどんな顔してこの現状を見てるんだって――あれ?さっきまでとなりにいたのにどこ行った?
もしかして――
「ねぇ先輩、初心者狩りばっかりして楽しいんですか?」
俺が声がした方に目線を向けると、そこには五色が先輩に物申している姿があった。
あ、あのバカ〜〜〜!!また勝手に行動しやがって……まぁ確かにそう言いたい気持ちはわかるけどさぁ、今じゃねーだろ……
「あ?誰だてめぇ?」
ほらキレ気味じゃねーか……そりゃああんな煽り方されたら誰だって怒るってホントのことなんだし、もうちょっと言い方とかあったろ……
「僕?僕は五色零、一年生だ」
「そうか、それで?一年生の
「いやいや、気になってしまって。僕らよりもポイント数も多くて学年も高いはずの先輩が、なんでこんなところで一年生とポイント賭けてゲームしてんのかなーーって、それともあれですか一年生からしかポイントを取れないほどゲーム弱いんですか?」
うわぁ煽る煽る、こんな言い方されたらあのさっきまでキレ気味だった先輩はブチギレるんじゃ?
「なんだ、そんな事を言いにきたのか悪いがそんな子供騙しみたいな挑発に乗るほど、俺は馬鹿じゃないんだ帰ってくれ。この後も色々予定が詰まってるんでな」
あれ……?思ってたより冷静だな、もっと短気な方だと思ってたが思い違いだったか?
やっぱり人を見た目で判断するのは良くないな、俺の悪い癖だ。
まぁなにはともあれこれで面倒事に巻き込まれる心配はなくなりそうだ、このまま五色が止まってくれたらだがな……
「あれ思ってたより、冷静なんだね。それとも普段から言われ慣れてるのかな?」
ですよねーー、五色なら絶対逃さないと思った〜〜
「なんだと?」
「そんな睨まないでくださいよ〜〜でも不思議に思っちゃって、僕だったら格下のやつにこんな事言われたらキレちゃいますけどね。先輩ってもしかして根がビビりだったりしますか?それなら無理して見た目をいかつくするのも、納得ですわ」
おいおい流石に言いすぎだって!!やめてくれこっちにまで被害が飛んでくる!!
「てめぇこっちが下手に出てりゃあいい気になりやがって……ああ、分かったよやってやろうじゃねーか」
「いいねそうこなくっちゃ!!このまま尻尾巻いて逃げたらどうしようかと思ったよ」
「くそ、いちいち煽ってきやがって……まぁいいそれで?おまえが挑んでくるゲームはなんだ?」
「挑んで来るゲーム……?別にそんなの何も決まってないけど」
は?まじかよ五色のやつなんの策もなしにただ文句言いに行っただけってことかよ!!そりゃあ無鉄砲がすぎんだろうがよ!!
もうすこし後先考えて行動しろって文句言いたくなるけど、よくよく考えればいつも通りだったわ……
「じゃあこっちでゲームを決めさせてもらうぜ?そうだな、じゃあ適当にルーレットとかでいいか?」
「ああ、全然いいよ〜〜」
「じゃあ少し待っとけ、準備があるからな」
サングラスの男はそう言い残すと部屋から出て行ってしまった。
「ふ〜〜なんとか勝負にまで持っていけた〜〜逃げられるかと思った〜〜」
安堵のため息を付きながら五色はその場に座り込んだ。
「勝負に持っていけた〜〜じゃねーよ!!大丈夫なのか?あいつ相当怪しいぞ、今だって準備してくるとか言ってイカサマの準備でもしてたらどうすんだよ?」
「大丈夫、大丈夫だってあいつの相手するの僕じゃないし」
「え、じゃあ誰が相手すんだよ?」
「そりゃあいっしーでしょ。だって僕ルーレットなんてやったことないし」
当然でしょ、という顔で五色が言った。
「おいおいおい、ちょっと待ってくれよ。なんで俺がおまえの依頼を受けないといけないんだ?確かにルーレットをやったことがあるし、俺の心力はこういうギャンブルっぽいのに向いている、それは分かった。でも」
俺は絶対にあんなヤクザ顔負けの怖いやつと戦いたくない!!
それに俺にとって五色の依頼が失敗しようが成功しようが、どっちだって構わない。友達だからといってそこまで助けてやる義理はないからな。
「いやいやそれは無理な話だよ、だって匿名の依頼を受けたのいっしーだもん」
「え?今なんて……」
「だから匿名の依頼を受けたのはいっしーって言ったんだよ」
え?俺匿名の依頼を受けた覚えなんて微塵もないんだが。一体どういうことだ?
「あ、受けた覚えがないって顔してるね。そりゃあそうでしょ、だって依頼人に送った名前がいっしーってだけで、受ける作業をしたのは僕なんだから。まぁ依頼者からしたら僕じゃなくていっしーが受けたと思ってるけどね」
どういうことだ、
えっと……つまり今の状況を整理すると、俺は今見ず知らずの誰かさんから、依頼を受けててそれを今まで知らないままここに来たってことであってるか?
これ完全に五色の手のひらで踊らされてね?
「もしかして五色、今日この場所にきたときから全部仕組んでた?」
俺の言葉を正解とでも表すかのように五色は満面の笑みを浮かべた。
「やっとたどり着いた?いやーー途中何度か帰りそうになったからヒヤヒヤしたよ」
最悪だ。この仮説が立証された以上、俺は今からあの強面の男と戦うのが確定した。
つまりこのカジノから出られなくなった+ルーレットで負けられなくなった。
「くっそ、もうこうなった以上勝手に依頼を受けたことは水に流そう」
「え?いいの?」
「あぁその代わり、あのサングラスの男とルーレットやるとき一緒に戦ってくれ。一人より複数人いたほうが意見交換できるし、何より意識の分担ができる。勝手に依頼を受けたんだからそんくらいはやってくれるよな?」
「う、うっす」
「じゃあ早速作戦会議をだな――」
その時だった、いきなりVIPルームの壁が開く。
「な、なんだ?いきなり扉が空きやがった……」
暗闇の中からディーラーの格好をした男が出てくる。
「付いてこい、準備が整った」
俺等は言われたままに、サングラスの男についていく。
壁の中には下に続く階段があって、それを俺等は黙々と降りていった。
そして五分くらい階段を降りた後、一つの扉があった。
ディーラーの男はそっと扉に手をかけ、ゆっくりと開ける。
「な、なんだこれ?でかい闘技場?」
開いた先に広がっていたのは闘技場に見立てられた、場所だった。
ところどころ、人が座っている。
「ようこそ、VIPルームの裏側。バックサイドへ」
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