襲撃2

「それで僕の作戦なんだけど……二手に分かれるってのはどうかな?」


 そう言って地面の砂に、詳しい図を宗田が書いていく。


「それって三人で一つのところに攻め込むのはだめなの?」


 五色が宗田に反論する。

 まぁ俺は別に二人でも三人でも変わらないと思うから、どっちでもいいんだけど。

 それにしても今の宗田の発言には少し引っかかるところがあるな、何でわざわざ二手に分かれて行動したほうがいいって言ったんだ?そんなことしたら、片方が潰されたとき成功率が下がっちゃわないか?

 すると宗田が五色の意見に弁解する。


「いや二手に別れたほうが、片方が失敗したときに大丈夫だと思ったんだけど。だめだったかな?」


 宗田が申し訳無さそうな顔して謝ってきた。

 いや考えすぎか?まぁ別に俺はどっちになろうと構わないけど。


「いや僕はなんでその作戦にしたか聞きたかっただけだから、別に二手に分かれる作戦でいいよ〜〜」


 五色はそう言って後は宗田に任せるようだ。


「それじゃあ誰が二人一組になるかを決めようか。僕はどっちでも構わないんだけど、二人はなにか意見あるかな?」


 そう言って宗田が俺等二人に質問してくる。


「それじゃあ僕が決めていい?」


 そう言ったのは五色だった。

 続けて五色はこう言ってきた。


「やっぱり市民という役職は、二手に分かれたほうがいいと思うんだよね」


 なるほどその理論で言ったら、俺と五色は必然的に分かれることになるって訳か。

 後は宗田がどっちと組みたいかだけど……


「じゃあ僕は鰯田くんと組もうかな、それでいいかい?」


 宗田はよりによって俺と組もうと言ってきた。

 うわぁまじか……俺一人行動のほうが良かったんだけど……まぁここでウダウダ言っててもしゃあないしな。ここは俺が折れるしかねぇか……


「分かった俺はそれでいいよ。それで、五色はこれでいいのか?」


「うんいいよ!!」


 五色は快くオッケーを出してくれた。

 おいこいつ最初からこれが狙いだったな?


「これで作戦は決まったな?それじゃあさっさと始めようぜ」


 さっさと作戦を始めないと、喜早たちも体力が無限ってわけじゃないさっさと決着をつけないとあの人数じゃあ、体力がなくなるのも時間の問題だ。


「そうだね、喜早くん達も体力が無限ってわけじゃないさっさと始めよう」


 そう言って俺と宗田は五色と分かれ、相手の陣地に向かう。


 〜10分後〜


「それで?俺等はどこに向かうんだ?」


 俺は前を走っている宗田に質問した。

 すると宗田は地図を少し確認した後、俺にこう返してきた。


「えっと多分真ん中じゃないかな?まだ五色くんがどっちに行くか分からないから断定はできないけど」


 ――いやさっき話しとけよ。

 まぁさっきこの話題を出さなかった俺も悪いか……


「じゃあ五色には俺から話しとくから、敵の真ん中の陣地行こうぜ」


「ありがたいよ」


 宗田は一言お礼してきた。

 まあめんどくさいけどやってやるか……

 俺は無線で五色に指示を出す。


「はいこれでオッケー」


「いやぁ助かるよ、ありがとう」


 宗田はそれだけ言ってまた前に向かって走り出す。

 俺もそれについていくように走り出した。

 

 そして5分くらい走ったあと、目の前に大きな駅が現れた。


「あっ、あそこじゃないか?」


 宗田が指を指す。

 指を指した場所は、駅前の広場みたいなところでそこには旗がしっかりと掲げられていた。

 俺等はその手前の建物の影に隠れて、周りに人狼がいないか探す。

 こういうときに、預言者っていう役職があれば便利なんだろうな……


「そっちに人狼らしき人は見えるかい?」


 宗田が少し声を抑えて聞いてきた。

 どうやら周りを警戒してるらしい、まぁなんとも真面目なこった。


「いやこっちは別に何も見てないけど、そっちは人狼いたか?」


 俺はある程度周りを見渡したあとに、宗田に尋ねる。


「いや誰もいなかったよ」


 まぁこんだけ探していないとすれば、本当にいないんだろう。

 だったら、さっさと旗を取って五色の援護にでも行くか。

 そうと決めたら早速行動だな。


「それじゃあさっさと旗を取っちまおうぜ、ここに人狼がいないってことは五色の方にいる可能性があるってことだろ?」


 さすがに市民の能力を使っても、大人数で来られたら五色じゃあ手も足も出ないだろうしな。

 捕らぬ狸の皮算用ってとこだ。

 不安要素はしっかり潰しておいたほうが後々楽だしな。


「そうだね。なるべく早く援護に行こうか」


 そう言って俺と宗田は旗の方に向かう。

 ――やっぱなんか釈然としねーな?ここまで旗の周りが警戒されてないなんて、おかしいにもほどがあるんじゃねーか?

 まぁここで考えていても埒が明かないし、さっさと旗を取るか……

 あれでも旗って……


「どうやって旗取るんだっけ?」


 宗田が少し呆れた顔をしている。

 あれ最初に説明されてたっけ?あっそうだった、そうだった旗に一定時間触ればよかったんだった。


「ごめんごめん思い出した、旗に触ればよかったんだよな?」


 そう言って俺は旗に手を伸ばす。

 ――が、急に嫌な気配に体全体が襲われる。

 何だ……この感じ……?さっきから嫌な気配こそしてはいたが、急にその気配が増しやがった。

 このまま旗に触るとやばいってのがビンビン感じるぜ。


「なぁ……宗田……やっぱりもうちょっと索敵してからにしないか?やっぱり旗を取るにもずっと触ってないといけないしさ?」


 俺はそう言って宗田の方を振り向いた瞬間だった。

 ――頭に嫌な気配が集中する。

 俺はとっさに屈んで、その嫌な気配から逃れる。

 ”ブオンッ”という音とともに頭の上を何かがかすめる。


「何だっ!!」


 あーー……やっぱりね……そんな気はしてたさ……

 二人行動になったときからずっとしていた嫌な気配、それに加えてタイミングが良すぎる襲撃、そして今考えれば分かることだが、人狼ゲームにある定番の役職が一つ足りねーよな……?


「なぁ宗田?いや役職名とさんよ〜〜?」


 俺の目の前に立っていたのは、木刀らしき物を持っている宗田だった。

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