13 長編を省みる

 カクヨムコン10の中間選考通過作品が発表されましたね。

 私が出した長編(長編1)は通過できませんでした。結果は当然のものとして受け入れていました。次作のプロットに没頭していると、落ち込むこともありません。

 ですが、発表から一週間ほど経った日のことです。異世界ライフ部門を担当された特別審査委員の方が書かれたnoteの記事を読みました。カクヨムコン10についてのものです。


 読んで泣きました。


 頭では特別審査委員の方も苦労されていると理解しても、やはり実際に心を砕いて取り組まれていたことが分かると感じ方が違いますね。私は自主企画を眺めているだけで、時々「読まれたい」という作者の気持ちに圧倒されてしまいます。コンテストなら、なおさらでしょう。選べなかった、読めなかったかもしれない作品と作者に対する励ましの言葉は、温かいものでした。


 そして、泣いて初めて自分が悔しかったことに気づけました。


 中間選考が発表された直後は、エッセイで長編1の大反省会をしようと考えていました。自作に対し客観的な評価を下すのは難しいですが、私は長編1について腑に落ちないものを感じていました。「悪いのは分かっているのだけれど、どこが悪くてどう直せばいいか分からない」という状態です。

 大反省会はやめました。うまく説明できませんが、悔しさに気づけたことで自作に対する考え方が変わりました。


 とりあえず次作(長編2)の完成に向けて今は頑張ろうと思います。長編を書き上げる体力が自分にもあることは分かりましたが、書きたいものを表現するには実力が足りません。


 学び直しも兼ねて


『きちんと学びたい人のための小説の書き方講座』(フィルムアート社/作)

 https://kakuyomu.jp/works/1177354055193794270


 を読み始めました。長編1執筆中は技術的な創作論を新たに読んだり、調べたりすることを禁止していました。解禁した今は、とても楽しいです……!

 漠然と考えていたことが明文化されていたり、気づけずにいたことが分かったり……頭の中が整理されていきます。


 好きなんですよ、創作論。三幕(三部?)構成、ロットポイント、ミッドポイント……。

 作品を分析する時に役立ちますし、「才能がなくても書ける」とうたわれていると、私でも小説が書けそうな気分になれます(要・不要論については、そば派・うどん派以上にどっちでもいいと思っています)。

 創作で躓いたときや疑問が生じたときに、お世話になっています。


 長編1執筆中に禁止していたのは「読んでエタったら、それこそ一生書き上げられない気がする」というのが主な理由でした。それに「プロットから書け」と書いてありますから……!


 上記の『~書き方講座』の2話『面倒なことが嫌いな人へ』に「プロッター」と「パンツァー」の話があります。これを読んで、長編1を書き上げられた謎が解けました。


 私がどちらのタイプかはこれから模索していくとしても、長編1は「パンツァー」的な書き方をしたことになります。

 『~書き方講座』によれば「パンツァー」としてうまくいく人に3つの条件があると紹介しています。孫引き引用になってしまうのですが……


 (a)ストーリーの計画を練らなくても内容がつかめている

 (b)理想的な構成が自然にわかっており、何が必要か勘でわかる

 (c)即興で書いた原稿を直して仕上げる意志がある。


 一次文献『工学的ストーリー創作入門 売れる物語を書くために必要な6つの要素』

 ”

 だそうです。私の場合は


(a)頭の中でプロットを立てていた

(b)勘ではなく知識でほんの少し分かる

(c)とてもある


 という状態で長編1を書き上げました。


 短編の時とは少し異なりますが、長編1も


・第一稿から各話を要約する

・いくつかの塊にまとめる

・ストーリー上、重要な部分だけを抜き出して書く

・三幕構成に分ける


 という方法でプロットを書き起こし、全体の流れに問題ないかを確認して完成させました。


 話題として出していたこともあり、長編1の書き方も説明しておきたかったのですが、書き上げられたことに首をかしげている状態だったもので……。これで心置きなく『第1章 短編・長編1を書く』を終わらせられます。


 エッセイは、新たに『第2章 長編2を書く』をスタートさせたいと思います。方向性を見失っている気もしますが、カクヨムのヘルプによればエッセイは自由に書いていいそうですから!


 新章は『自主企画のタイトル調査』からスタートです。『準備・作品数編』『分類編』『余談編』の全3回でお送りします。『余談編』が長くてまとまりのない話ですが、カクヨムのヘルプによればエッセイは自由に書いていいそうですから(二回目)!


 では次回。

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