12 初心者のカクヨムコン10体験記

 楽しかったカクヨムコン10、という話です。


 カクヨムコン10が終わりました。カクヨム一年生の私は高校時代以来、初めて完成させた長編一作品を応募してみました。

 12万文字強、全44話、完結済み。連載期間は12月30日~2月2日まで。応募部門は異世界ライフ部門です。


 初めての長編を連載することもあり、キャッチコピーや紹介文を工夫する以外にも、人目につく努力を出来る範囲で行いました。


 具体的には、カクヨムで読みかじった知識を片っ端から試しました。


 まずは「初期ブースト」。実は言葉だけ見かけて、意味をよく理解していませんでした。軽く検索した限りでは、明確なやり方があるわけではなさそうです。

 最初に話をたくさん更新して露出を増やせばいい、と解釈しました。連載初日に1話から6話まで、30分ごとに投稿してみました。


 結果は特に効果ありませんでした。


 それもそのはずです。年末はカクヨムから人がいなくなるみたいです。すき焼き肉が当たるキャンペーンのお知らせを読んでいたため、うすうす気づいていました。

 ですが、年末は頭が働いておらず、締め切りの午前11:59が何時か分かりませんでした(家族に本気で質問してしまいました。お昼だそうです)。

 締め切り前日の2月2日までに完結させようと日数を確認したところ、35日間しかありません(※全44話)。さすがに人が増えそうな日を待てず、強行しました。


「更新時間を中途半端な時間に設定する」のも試してみました。00分や30分だと作品の更新が集中するため、少しずらす、という考えです。おまじない感覚で設定してみました。

 また更新時間は読者が多いと思われる時間に更新するのが良いそうです。自作の場合、万人向けとは言えない内容だっため、単に人が多い時間というよりも、読者層が多いと思われる時間を狙わなくてはなりません。


 それがいつか分かればいいのですが……。


 ちょうど読者層が近そうな作品が目につく場所にありました。みなさんが星をつける時間を拝見させていただきました……ざっと見た限りではバラバラでした。分析をする時間はありません。

 結局、自分がスマホもPCも触らない時間にしました。心の平穏が大事です。

 19:23にして、2話更新する時には2話目を19:28に設定しました。これは私のスマホだと、更新から4分後に通知が来るからです。また、2話を同時に更新されると、通知が来ないことがあるためです(読者としての経験です)。


 余談ですが、予約投稿の通知は「今ならまだ投稿を取り消せますよ」と悪魔がささやいている気がしませんか? 見るたびに漫画『プリーズ、ジーヴス』の2巻で、原稿の入った小包を盗むバーティーを思い出してしまいます(勝田文さんの描く、必死な形相のバーティーが好きです)。通知はオフにしました。


 おまじないの結果はよく分かりませんでした。

 試しに本編完結後に連載していた長編の閑話集を、19:30の更新に設定してみました。体感は一緒です。そもそもスマホに触れない時間のため、流れの速さを確認できませんでした……(実験になりませんでした)。


 それから「単発エッセイの投稿を時期に合わせてみる」という試み。

 創作論・評論ジャンルはあまり書く人がいないから目立ちやすいらしい、との情報を得て実行してみました。作品ではなく作者を売る、ということなのでしょうか。創作論を書く論拠を持ち合わせていないので、単発エッセイにしました。

 投稿時期に関する経緯は前回説明したので省略します。ですが、いまだに気持ちの整理がつかないため、おすすめはしません……!


 後は作品を応募期間内に完結させ「完結ブースト」なるものが本当に存在するのか見てみました。作品のフォロワーに通知が行くのと、トップページにある「最近完結した小説」の欄へ一時的に載せてもらえるため、露出が増えるという効果があるのでしょう。


 これは少しだけ効果がありました(ブーストはありません)。全体のプレビュー数としては完結後の方が少ないのですが、読了してくださった方は連載中よりも完結後が多いです。


 以上のように、人目につく努力を出来る範囲で試してみました。ほとんど効果は分かりませんでしたが、読んでいただける環境は十分に整えた、と判断します。


 カクヨム初心者のやからしで「作品を一括投稿する」というのがあるそうです。カクヨムコン10でも、それらしき作品を見かけました。

 長編の連載を終了した今なら一括投稿の気持ちがよく分かります。


 連載に耐えられない……!


 連載中に見舞われる非公開にしたくなる衝動と、後は埋もれるだけの状況を願う心理は何なのでしょうか。

 たくさん作品を投稿して慣れるしかないのでしょうが、あらかじめ初心者の心構えとして知っておきたかったです。リサーチ不足でした。


 私は未公開分の手直しをしたり、近況ノートのコメント欄で遊んだり、閑話を書いて遊んだりして連載を乗り切りました。

 精神的に落ち込んでも、その後すぐに浮上できることに出会い、何度も立ち直れました。おかげで作品を途中で未公開にする、というバカなことはせずに済みました。


 前回も書きましたが、埋もれるだけの状況はやはり気が楽です。


 気楽すぎて「カクヨムが作品の埋もれやすいサイトだとするのなら、それはある意味やさしさなのでは?」と考えていました。そんなころ、カクヨムから「作品を大々的に宣伝できるチャンス!」なる通知が来ました。


 なんと血迷ったことを……!?(血も凍るような恐怖の一瞬でした)


 話がそれました。


 心残りとしては、あまり作品を読めなかったことでしょうか。えり好みしすぎたのと、読み続けるべきか悩んでいたら疲れてしまいました……。探している途中で、何が読みたいのかも分からなくなってしまいました。


 せっかく参加したカクヨムコン10。最終選考対象作品の発表を見るドキドキ感を味わいたいため、「勝手に応援する一覧」を作ってみました。


 自作のサブジャンル(サブテーマ?)と同じ作品を部門ごとに抽出してみました。キーワード検索をかけて出てきた作品で、応募規定を満たしたものに限ります。

 カクヨムプロ作家部門を除くと全部で82作品ありました。このうちランキング上位作品に該当しそうなのは、3作品ほどでしょうか? 後は特別選考委員の選出にかかっていそうです。(追記:全然基準が分かっていませんでした。すみません)


 ちなみに異世界ライフ部門では、自作のほかに1作品しかありませんでした。見事に対称的な作品だったため、検索結果を見て笑ってしまいました。


 これで3月の発表を楽しむ準備も万端です……!


 私のカクヨムコン10体験はこんな感じでした。総括としては「人に作品を読んでもらう」という経験ができたことが、何よりも大きかったです。

 私は「カクヨムでの公開を目標にしなくても書き続けられるようになる」のを最終的な目標にしています。ですが、作品を連載してみて、共感してもらえることや、物語が伝わるすばらしさを知ることが出来ました。


 「人に作品を読んでもらう」ということの難しさも実感できました。


 前述のとおり、読んでいただける環境は十分に整えた、と判断しました。作品は人目につく状態でした。読まれないのは人目につかないから、という理由に逃げる道を出来る限りふさぎました(これ重要です)。


 作品に対する自己評価が甘かった、と痛感しました。今より人目についたとしても、それは変わらないと思います。

 最後まで作品に付き合って下さった方々には頭が上がりません。本当にありがとうございました。


 カクヨムコン10、とても楽しかったです。


 では次回。

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