脚本
そして獣になった【完結済】
そして獣になった 1/4
主要人物
以下本文
◇◇◇
〇定食屋
皿が割れる音が聞こえる。
長谷川(19)目をつぶる。
ヤギ獣人(48)、長谷川を見て、怒鳴る。
ヤギ獣人「お前! 何度言ったらわかるんだ!」
ヤギ獣人の声が響く。
長谷川「す、すみません。」
ヤギ獣人「これで何度目かな、長谷川くん。もういい。クビね」
長谷川「待ってください! クビだけは勘弁してください!」
長谷川はヤギ獣人のツノを掴む。
ヤギ獣人「いいか人間! ここは元々、獣人だけしか、働けないところだったんだよ! だがな、法律によって、ここも人間雇わなきゃいけなくなった! つまり、お前は邪魔なんだよ!」
ヤギ獣人、机を強く叩く。
長谷川「邪魔……そんな言い方しなくても」
ヤギ獣人「事実を言っているだけだ! それともなんだ? 獣人差別するのか」
戸惑う長谷川。なにも言えない。
その空気を打破するように、
ヤギ獣人「なんだ人間、言ってみろ」
長谷川「
ヤギ獣人「なに言っているんだ。俺はまとものことしか言ってないぞ。これだから人間は……」
ヤギ獣人「おーそうか、だったらお前もクビだ。さっさと俺の前から、ででけ!」
長谷川「え? わ、わかりました」
二人は店から去る。
ヤギ獣人「薄汚い種族め」
羊獣人女「
ヤギ獣人「あぁ小さい頃、差別されたことを思い出したよ。四十五年前以上はアニエンスが珍しかったからな」
羊獣人女「でも十五年前にアニエンス愛護法の法律ができたじゃない」
ヤギ獣人「それでも、俺みたいな獣人は嫌いな人いるよ。さっきのバイトのように」
〇定食屋 外
長谷川「まあなんとかね」
長谷川「ほんとですね。全員が全員そうじゃないけど」
長谷川「……そ、そうなんだ」
長谷川「でも佐複さんは差別してますよね。矛盾しているのでは」
長谷川「そういうつもりじゃ……」
長谷川(……僕も悪いところあったけど、ああいう人にはなりたくないな……)
〇都内 昼
どこもかしこも、獣人だらけでイライラしている
嫌な表情しながら、飯屋を探す
子供のように叫ぶ
獣人モブ「げ、変なやつ」
獣人子供「ママ〜、あのひとなにしているの?」
獣人子供の母「しぃー、見ちゃいけません」
人間モブ「一人で叫んでて気持ちが悪い……」
彼を抑えたままファミレスにつく。
〇ファミレス・店内
四人テーブル席に案内される
ハンバーグ、ドリア、パスタなど色とりどりの料理が目に移る。
人間の店員がやってくる。メニューを開いて話す。
店員、うなずく。
店員「わかりました、ご注文を繰り返し伝えます」
店員、
店員「……セットのカスタードケーキ。以上でよろしいですか?」
店員「……どうかしましたか?」
店員「わかりました。追加でミートパスタですね」
店員は追加料理を言い、厨房に向かう。
獣人たちが楽しそうに食べているのを見て、少し態度を変える。
× × ×
○小学校・夕方
猫の獣人達が
猫の獣人A「人間のくせに弱いな。てっきり猿だと思ったよ」
猫の獣人B「きゃはははは、お前、猿だってよ」
猫の獣人C「猿は猿らしく、木登りしてろ」
その場から去る猫の獣人。
そのとき、
× × ×
アゴに手を置く
大きく声を出し、提案をする。
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