第14話かっこいいね
ハスキー「ア、アイドル?」
カラフルな特攻服の9人の女の子達が元気に歌って踊っていた。
30分、集中して最後までライブを見ていた。
不思議な気分。中でもオレンジ色の女の子の歌声が力強くて思わず
ハスキー「かっこいい」と声が出た。出たと同時に手で口を押さえた。
ライブ終了後、特典会があった。一見産は好きなメンバー1人とチェキ1枚。
気づけば吸い込まれるようにオレンジの子の列に並んでいた。
順番が来た。
目の前で見たアイドルはあまりにも可愛くて、こんな生き物がこの世に存在するのかと驚き何を話せばいいか分からず、一言「ど、どうも」しか言えなかった。
桜「スタイルいいね!」
ハスキー「えっ!あ、ありがとう。ら、ライブ楽しかったです」
桜「こちらこそだよ。ありがとうー!」
桜「声ハスキーでかっこいいね!」
ハスキー「あ、あ、ど、どうもです」
桜「ポーズどうする?」
ハスキー「えっ?」
桜「チェキ、チェキ笑」
ハスキー「あ!ご、ご、ごめんなさい。じゃあ、ピース」
桜「オッケー!ピース!」
ハスキー「ぴーす」
カシャッ
たった数十秒だった。たった数十秒で、ずっと否定され続けた物が全部肯定された。
控えめに言って私の人生は救われた。
ハスキー「良いんだ。私、良いんだ!」
その日、家(漫喫)には帰らず初めてカラオケに行った。背筋を伸ばして
2時間ぶっ通しで、本当に声がガラガラになるまで。
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