第4話 ことの始まり(2)

自分を倉庫番だと名乗った中島さんは、主に倉庫内に保管している祭壇等の備品の管理をしているとのことだった。持ち出し用の祭壇に破損した箇所があれば、速やかに修理したり、参列者に配る会葬品の在庫管理なんかを仕事にしていた。短髪に、力仕事に向いていそうな頑丈そうな体格をしていたが、その威圧的な巨躯に反して、笑うと体全体を揺さぶる様は、人の良さを端的にあらわしているような気がした。

「みんななにかしらの理由があって、ここで働いてるんや。まあ悪い人間はおらんから安心しといてええ」

白髪でパンチパーマの吉原部長が、隣で囁くように言った。その顔立ちの濃さから、沖縄とか南の出身なのかと考えていたら、奄美大島の出身だと教えてくれた。見た目のインパクトに反して、物腰はとても柔和な感じで、初日の緊張が随分とほぐされた気がしていた。

「よろしく」

そう言いながら右手を差し出してきたのは山田周一だった。痩せていて小柄な、一見すると高校生ぐらいにも見える風貌で、僕の二つ下で、二十二歳だった。


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死神と踊る日々 外崎 柊 @maoshu07

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