第11話 実力テスト

 実力テストが行われた。

 五教科の成績を試されるのである。


 この頃には、席替えが済み、MJと僕は離れ離れになっていた。

 かと言って、勉強に対する僕の姿勢は変わって居なかった。

 MJと同じ教室に居る限り、自分の存在を意識させたかったのだろうか。



 実力テストの結果が出た。

 これは普段テストとは違い、クラス全体の一覧表から個人の箇所を切り裂いて手渡される。


 500名近くの中で、100番以内に入ることが出来た。

 快挙と云うべき事である。

 それもこれも、MJが同じクラスに居てくれたからだ。

 

 その後、MJと僕の間にこれと言った事はなかった。

 何かしらの期待は持ち合わせてはいたが、足早に時は過ぎ中学二年生に幕が下りた。


 三年生になったが、MJとは同じクラスに成られなかった。


 

 MJの姿を最後に見たのは、高校三年生の頃だった。

 駅のホームのベンチに座って居ると、進学校の制服を着たMJが鞄を手に颯爽と僕の前を通り過ぎて行った。

 視野に入って居ただろう僕に一瞥する事もなく。


 その光景も僕の心の中にしっかり刻まれていて、未だに、鮮明に思い出す事が出来ている。

 

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ノクターン(夜想曲) クニ ヒロシ @kuni7534

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