読了して真っ先に、タイトルが秀逸だと思いました。本編とのリンクは何気ない感じですが、すごくオシャレと感じます。
ちょこちょこと実在する地名が出てくるのも、登場人物たちの生活感を描く上で巧みに利用されています。筆者はあまり東京には行ったことがない、というか住んだこともないのですが、なんとなく原住地と「ああ、同じ星の同じ国の場所なんだな」と思えるんですよね。
そのお陰(?)で、現実性と非現実性の境目とか、登場人物の心の噛み合わない感じとか、そういったものが非常に鮮烈に目に浮かびました。
……こんなヒューマンドラマを書きたい書きたいと日々喚いているのですが(;^ω^)
コンテスト受賞作品です。
先に選評をチラッと見てしまい、どんな感じの作品なのか知った上で読んだつもりでしたが……。
読み終わってびっくりしました。思っていたのとかなり違う! しかも良い意味で!
でも改めて選評を読み直してみると、全部そこに書かれている通りなのですよね。まさに「うん、うん」と頷きたくなるような話ばかりの選評でした。
特に「……などの行動だけでその淡い恋が表現されている」というところ。
何気ない行動や仕草だけ記述して、その時々の想いは直接表現せずとも読者に伝える、という書き方が素晴らしい。自分には真似できない方向性だけれど自分もいつかこんな作品を書きたい、そんな気持ちになるような、素敵な純文学でした。