異世界作家生活 1話

 なんでこんなこともできないんだろう。


 自分で選んだ道なのに、どっちもちゃんとできなくて。

 小さい頃から作家になりたかった。ようやく獲れた新人賞。でもその先に繋げられなかった。


 専業作家じゃ食べていけないからと始めたコールセンターの仕事。毎日理不尽に怒鳴られて、心を削るだけだった。


 もういいや、こんな世界。


 血が流れる手首を、たっぷりお湯を張った浴槽に沈めた。

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