22編目 夢うつつ

亡くなったはずの父が生きていた


亡くなったはずのポメラニアンが生きていた


まだ生きているはずの母が死んでいた


そして私はなぜか息子から娘になっていた


父は私とポメラニアンを乗せて車で走っていた


すると実に耳障りな音がどこからか鳴り始めた


夢という死んだものたちがよみがえっている世界から


現実という死んだものたちが本当に死んでいる世界へ


私の意識を大根のように思いっきり引っこ抜く


あの非情な目覚ましの音が悪魔の笑い声のように鳴り始めた




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