「詩集 永劫」(令和1年~)
舞原 帝
35.伝えたいこと
君がいつも口ずさむ歌がある いつも音程を外してしまうけれど
君がいつか行きたいと言った国がある そこはいつか滅んだと何かで読んだけれど
伝えたいことは本当にたくさんあって
でもその全てを伝えてしまっては きっと君を傷付けてしまうかもしれなくて
何と言おう? 何から伝えよう? 僕が君に知ってほしいことは何だろう?
そんなことを考えていたから 僕は 君が泣き出していることに気付けなかった
君は言う 「死ぬのが怖いの」と
「大切な人たちがいつか本当に死んでしまうのが恐ろしいの」と
僕が君に伝えたいこと 僕が君に知ってほしいこと それは――
唯一無二の君の存在が消えても この世界から君の生きた証が消える訳じゃないということ
そんなこと君はとっくに分かっていたのかもしれない
君は もうない国の歌を高らかに歌い出した 音程を外しても これが証とばかりに・・・
人が誰か大切な人を失う時 傍にいる別の誰かのことを大切に思うだろう
あなたが生き続けていれば それが誰かの生きる希望になる
あなたは傍にいてくれるだけでいい ずっと生きていてくれればいい
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