28.君という人
本音は隠し切れないから 包み隠さずといったところ
「顔に書いてあるでしょ?」とにべもない それが君
言葉にしなければ分からないこともあるけど 確かに君の場合は・・・
とか考えていると小突かれる 考えが読まれることだってある
にへらと笑おうものならしかめ面 ぷいとそっぽを向かれ いーっとされる
まるで子供みたい なんて死んでも口に出してはいけない
出したが最後 明くる明くる明くる日まで口を利いてくれない
だからいーっとされたら いーっと返す お互い子供になっていつまでも笑い合う
繰り返すことのない日日の中で僕は君と出会った
そんなありきたりな出来事を初めて特別に感じた
夢で気取って現実では背伸びしてってしてたら いつか愛想つかされるかも
なんて考えも君にはお見通し 夢でも現実でも等しく愛情で包んでくれる
その優しさがいつも僕の生きがいになる この人のためならって力が湧いてくる
今日を最後に君とはもう会えない そんな「今日」を思って泣く暇があったら
って君なら言うに決まってる だけど君は君 僕は僕だって思うから
人知れず泣くにはうってつけの日があったら 君にも知られず泣きじゃくって――
「まるで子供みたいね」と君の声 あの頃より少しだけ大人びたその声
泣き腫らした顔を上げると そこには他でもない君がいて ただ微笑んでいた
とびきりの笑顔を隠し持った君の顔には 今もあの時と同じ本音が書かれている
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