27.言葉なるは
全部を言葉にしようものなら項垂れる
それが運命だと知る術もないから ただ言葉に埋(うず)もれる
「全部」とは思いであり考えであり一時の感情であり それらは決して一纏めには出来ない
身も蓋もないことを言ってしまえば 「言葉」などいらない
そうと分かれば 半生を綴らんと開いたその頁には 血と汗と涙でも染み込ませておけばいい
そうしてそこに腊葉の栞を挿み 深みでも持たせれば言うことはない
いずれにしても 知る術のない運命に身を委ねてみるのも手だ
頭でっかちも猫のような背もおぼつかない足も その世界で生きるのには必要だろう
言葉とは裏腹に 求めているのもまた「言葉」なのなら 舌の根が乾こうが饒舌に物言うことぐらい容易いだろう
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