第5話ジャグリングスポット

ピエロ、ピエロ、両手に花を持った青年が、ある日、サーカスを訪れた。

ようきな陽気に、日差しを避けて、暗いテントを抜けていく。

入った世界にサーカストラッド、フォーマットを絞って、絞れた服に、手首は、広い。

顔にペイント、ペインを抱いたスターマークの道化師が、手に持った球体を躍らせる、そこには惑星があって、放り投げるたびに孤独がひろがる、星間旅行のような陽気さで、少し悲しい気持ちになって、火を噴く口から、タイガーブレス

サーカスは終わらない。

道化が過ぎて、日が傾くと、テントを去った旅人は、夕日を見上げて、涙した。

さあ、明日も、仕事だ。

呟いてみれば、ジャグリングの雨に、逆らうような雲が、流れて、愁眉な憂いが、襲っても、この瞬間は素敵だと言える、そういうことが、素敵だと、想える。

旅路の先に、転がった路傍の石が、何度もけっ躓いて起き上がるたびに、勇気と幻の間で、惑星郷愁、ここは遠い。

また行きたいなサーカスに。

だから働く、街に戻って、むなしい顔に、笑顔が出れば、街を行く馬車に、すれ違う人が、まるでピエロに見えて、笑うから、生きているということに、感覚が戯れて、夢路を追う、ここは陽だまり、ジャグリングスポット。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る