集合写真
僕は、集合写真が苦手だ。
そもそも写真そのものが得意ではない。
なるべく写真に撮られないように逃げてきた。
それでも、人生には写真を撮らなければならないイベントが発生する。
家庭で、学校で、部活で、そして会社でも。
撮られた写真を見てみると、いつの間にか目だけが横を向いている。
初めてそのことに気づいたのは、小学校の部活の集合写真だった。
僕の目だけがどこか別の方向を見ていた。
なんて不運なタイミングでシャッターが切られたんだろう。
当時はそれほど深く考えずに、ただそう思っていた。
しかし、高校の部活の集合写真でも、相変わらず目だけが横を向いていた。
そして新入社員として臨んだ集合写真。
意気込んだ結果、力が入りすぎた恥ずかしい表情が写真に残されてしまった。
意識した分だけ、余計に恥ずかしい。
年月が過ぎ、再び集合写真を撮る機会が訪れた。
横目の件など、すっかり忘れていた。
そして、ドローンで撮影された集合写真は、業界新聞に掲載された。
僕の目は、案の定、横を向いていた。
年を重ね、ずいぶん性格が変わったと思っていた。
しかし、所詮、自分は変わらず自分なのだと少しがっかりした。
それでも、そんな哀れな自分がどこか愛おしく、少し愛でてやろうという気にもなった。
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