第5話 良い気分
「あるんだけどね…その…」
と言い若菜摘は言葉を詰まらせた
「ご、ごめんジンさん!!私から言うのは気が重いからよろしく!!」
と小声で俺に耳打ちした。
俺も気が引けるよ!!言いたくねえよ!!とか思ったけどこの流れはもう言う流れ。言うしかない。
「えぇと。落ち着いて聞いてね。その情報がまとまった資料みたいなのがあるんだけど…」
「は、はい…!!」
「その資料ってA級の人でも中々見る機会のできない貴重な資料でね…」
「え、あ、」
「だから1回見たかったとしても″A級下位までになる″か、超エリートな組織に所属しないといけないんだ…、!」
「え、えぇ…!!」
あからさまに落ち込んだ顔だ。申しわけなさすぎる…でもこれが現実なんだ…!、許してくれ…!!
「あ、あぁ!!でも待って!!まだ諦めないで!!」
「なんですか…なんか結局実力社会なんだねってなりました…僕やっぱもう無理です…」
「諦めないで、!実はB級にも目の情報をたくさん持ってる人もいて、その情報いっぱい持ってる人と交流したら目の情報いっぱい集まると思うよ…!!」
「無理です…また僕が馬鹿にされて終わりです。C級のくせに情報たかってんじゃねえよって思われるだけですよ…」
とことん自己肯定感低いな。
俺じゃもうフォローしきれそうになさそう。俺もこれ以外に情報も方法も知らないから、あとは彼の努力次第ではないだろうかと思
う。
「う、うーん…それじゃあもう1つ、ここだけの話ね。実はね【ルーワトビ・ガルコ図書館】って場所にね…各地の目の色とかの資料が集められた本があるの…良かったらそこに行ったらどうかな…?」
「そ、そんなところがあるんですか…!?どこにあるんですか…!?」
「ロトノイっていう地方にあるよ。どこにあるかは忘れちゃったけど…多分調べたら出てくると思う!よかったら調べてみて!!」
「…!はい!ありがとうございます!!」
あからさまに明るくなった。わかりやすいなこの子。なんこ馬鹿にされるのもわかっちゃった気がする。
「というかそんな図書館あったんだな。俺も知らなかったわ。どういう経緯で見つけたんだ?」
聞いてみたら若菜摘は異様に焦りだした。
焦りというかなんというか…なにかを隠してる感じだ。
「えー…そ、それは昔の話!!今はこの子ことを優先しましょう!」
あからさまに話を逸らされた…
「あー…まあいいや。でも君、あれだったらちょっとぐらいランクが上がるように頑張ってみたらどうだ?」
少年は顔をしかめて俯いた。
「そんなこと自分でもわかってます…でも出来ないんです…!!そうやって貴方たちも僕のこと見下して!!」
思いっきり地雷を踏んでしまった。
アドバイスぐらいで言ったつもりが気を損ねてしまった。
「というか…貴方たちはランクどれぐらいなんですか!?僕のランク散々に言ってますけど!!」
「え、私たち?」
「こんなこと言っちゃあれだけど、さっき俺A級でも中々見れないって言ったから大体わかると思うけど…」
「はあ!?ってえ、…もしかしてA級とか言ったりします…?」
「実はね…!!」
「!!?!?!?」
なんか気分が良いな!!こんなことで気分が良くなってはいけないがとても気分が良い!!
「それじゃあ…えっと…もしかして今回昇格した2人であったり…!?」
「ごめん。昇格はしてないかな、!」
「それじゃあA級下位ってことですか!?いや、それでも凄い…」
「いいや、その、A級上位のほうかな…!」
「!!??!!?」
気分が良い!!気分がとても良い!!どうしよう!!気分が良すぎる!!なんかナチュラルマウントとってしまってように思えるが気分が良いな!!
「それじゃあ僕さっきまでそんな強い人にあんな言葉を…!?申し訳ございません!!!」
「いや、物事考えずに話した俺も悪いから謝らないで。」
「は、はい…」
「えっとそれじゃあ色々聞きたいことがあるから聞いて良いかな…?」
「は、はい!!なんでも仰ってください!!」
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