repeatworld_【繰り返す世界】

9霊視

嘘つき世界のプロローグ

第1話 始まり

ここはrepeatworld。通称、【繰り返す世界】

誰もが″主人公″であり、誰もが″敵″である

そんな世界は今日も動き出す______




  !そんな狂った世界をぶち壊せ!




…ザク!!!

「よっ、と!」

″敵″を切り裂いて切り裂いて、なにも変わらない平凡な毎日。最近は特にこれと言った事件もなければ、これと言った楽しみもない。


「はぁ~…なんかなにをやってもやった気がしねえな~…」

ヒュウ、ヒュウ…

(ん?なんの音だ?)

そう思い振り返ると、


ドカッ!!!!!


倒したと思った筈の敵から、見事に攻撃を食らってしまった




repeatworld_【繰り返す世界】0章

          嘘つき世界の始まり




「まぁ~ったく、お前はさぁ!!」


「いや、ほんとに、今回は本当に凡ミスなんだって!!サボりとかじゃなく!!」


そう言って俺を𠮟るのは【黒崎香】。

この学園の由緒正しき生徒会長様だ。

スポーツ万能、成績優秀、容姿端麗、性格にも非がないほどだ。全てが完璧。この世界の圧倒的強者とも言えるほど。


「ったく…ジンいつも言ってるよな!?仕事はちゃんとやれって!!お前がやらなかった分、俺に回ってくるんだぞ!?」


「ちゃんとやってるだろ!!お前ちょっと落ち着けよ!!」


「はあ!?」

その完璧な会長様にこう言い合える立ち位置にある俺は副会長だ。そして、香の″双子の弟″である。まあそうは言っても顔も似ていなければ、血も繫がっていないんだけど


「もう良い、次の仕事の話だ。明日からの仕事は今日よりちょっと忙しいぞ。なんせあの″白時計台″の近くの魔物退治だからだ。」


「なにそのダルイ仕事。香がやったらいいじゃん。」


「まあ1人でやるわけじゃないだろうし、そう言うなよ。」


「仲悪い人とか来たら嫌なんだけど。面倒くせえ。やっぱ香がやれよ。」


「俺はこれ以外でも仕事があるんだ。」


「俺もあるよ。」


「はあ…とりあえずこれからも仕事に励むように!!」


「はいはい」


「あと、今日の19時ぐらいに本会議堂で集会があるだろうから、それには来てね。」


「19時?今は17時半だからもう俺仕事行かなくて良くね?」


「仕事は仕事だ!!早上がりしようとするな!!いけ!!」

香はそう言うと俺のことをひっぱたき、生徒会室から追い出した





「はぁ…」

ため息をつきながら魔物を狩って狩って狩りまくる。


(なんなんだこの単純作業…やることが単純すぎて頭悪くなりそうだわ。暇だし。そもそもなんで俺がこんなカスみたいな仕事をしなくちゃいけないんだ!!)


一刻も早く19時になってほしい。その思いで雑草を引き抜くように魔物を狩っていると

ザッザッ…

(あれ…またやり損ねたか?)

さっきみたいなヘマをかかないように恐る恐る後ろを振り返る


「あれ、やっぱり、ジンさん?」


「うわ、」


「やっぱり、ジンさんだ!!久しぶり!!」


「あぁ…」

なんでこう厄災に厄災が降りかかってくるのだろう。コイツは【宝上若菜摘】モデルでありる分、容姿はものすごく良く、そして頭も良ければ運動もでき、性格も良いという…全てが香のステータスとよく似ているやつだ。

それぐらいなら別に良い。別に良いのだが…


きゅ…

「ジンさんこんな夏にこのカーディガン、暑くないの?」


そう、この距離の近さと媚びを売るような声色、これがもうとにかく苦手だ!!面倒臭いというかめんどくさすぎる!!


「あー、暑くねえよ」


「そっか!というより、そろそろ集会始まっちゃうよ?大丈夫?」


「あれ、もうそんな時間か。」


「うん。良かったら本会議堂まで一緒に行かない?ここから結構近いし!!」

ぶっちゃけ言うと一緒に行きたくもないが、ここで断る理由なんてない。いや、あるけど、あるけど!!ここでお前のこと苦手だからとか言ったら絶対変な空気になる。


「ああ、うーん…うん、」


「エヘヘ!!やった!!それじゃあ一緒に行こう!!」


あぁ…1人でスマホ触りながら行きたかったな…そう思いながら若菜摘と一緒に本会議堂を目指しながら歩いた

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