第2話
「では今日は授業はありませんのでこれで下校になります。」
あっという間に入学式が終わり、ホームルームすら初日の為すんなり終わった。
クラスメイト達は和気あいあいとお喋りを始め、なかなか帰る者はいない。
かく言う降幡は今朝の男子に声をかけられて以来誰とも喋ることはなかった。
うん、帰ろう
静かに下駄箱まで歩き始める。
「さっきの時間は…地獄だったな…。」
学校あるある入学式や始業式にやりがちな、1人ずつ自己紹介する時間のことである。
誰もがコミュ力があると思わないで欲しい。人前で喋ることに慣れてない人間だってごまんといるのだ。
「あ!いたいたおーい!」
さぁ上履きから履き替えようと自身の下駄箱に手をかけたその時、向こうから大きな声で誰かを呼ぶ声が聞こえた。
降幡以外にも下駄箱には生徒はちらほらいる。
うん俺ではないな
一瞬止めた手を再び動かした。
「降幡!お前もう帰っちゃうの?」
次はすぐ真隣から声が聞こえた。
驚いて横を見遣るとそこには黒縁メガネが似合う男子。
「神木…くん。」
「お!もう覚えてくれたんだなー。」
覚えているとも。なんなら今朝の件がなくても彼の名前は覚えていたと思う。
「さっきの自己紹介でね…。」
そう、学校あるあるの自己紹介。彼はその時ですら目立っていた。
『神木未魁(みか)です!上から読んでも下から読んでも一緒なんでどっちから呼んでもいいっすよ!』
教室で笑いが起きたのは彼の自己紹介からだ。自分から受けを狙っていくとは、さすが陽キャ。
「あれな!我ながら上手く言えたと思ったわぁ!てかそうだよ、降幡もう帰るん?」
「あっ、うん。特にすることもないし…。」
「なら時間あるな。ちょっときてきて!」
腕を引かれ、来た道を戻っていく。
あまりにも急な展開に降幡はただ神木に着いていく事しかできなかった。
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