閉ざされた車内という極限のシチュエーションで膨らんでいく「疑心暗鬼」の描写が秀逸です。人を殺してしまったという焦燥感から、隣に座る共犯者の存在さえ信じられなくなっていく心理描写がリアルで、読んでいるこちらまで冷や汗をかくようなゾクゾク感を味わえます。短編でありながら心理サスペンスの醍醐味と不気味な余韻がしっかり詰まっていて、一気に引き込まれました!
災厄は、唐突にやってくる。自身が起こすものであろうと、それは同じ。後悔と罪悪感に満ちて、逃れようと足掻く暗い道筋。おびえる卑小なその心に、夜闇が吹き込む恐怖は、ただの虚像に過ぎないのか、それとも……。人間の心の暗がりをありありと描いた掌編。
猜疑心が一度芽生えると、どこまでも妄想が膨らむ――暗い山道を進む彼らは、いったいどこへ向かっているのでしょうね……
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