明日町商店街テクノ娘

倉沢トモエ

テクノ娘

第1話 夜の途切れる場所

 都会まちの夜には〈途切れる場所〉があって、あたしもこのごろ見つけるのがうまくなった。


 雨上がりの濡れたアスファルトに、点滅しているブルーのハートマークがにじんでいる。スナックの扉の上で光っている。

 夜八時。商店街のシャッターはみんな下りている。街灯の明かりが隅々までは届かず、暗い。

 電話ボックスの蛍光灯は切れかかっている。電話帳が破られている。どちらかというと殺風景。


「あたしが思うに、こういうところにありがちじゃない?」

「それには同意だっPぴー

 GPグッピーと意見が久しぶりに合った。

「〈途切れる場所〉の反応が強いっPぴー

「でしょ?」


 あたしだってGPグッピーのガワのほう、とか言われ続けるのは面白くないんですもの。日々〈途切れる場所〉を見逃さないこと。見逃さなければ、それだけ多く捕獲することができるんですからね。それが使命なんですからね。

 そうしたら、


「誰か寝てるっPぴー


 GPグッピーの言うとおり、誰か横になって丸くなってる。電話ボックスの中に敷物敷いて。敷物ってあれよ、見たことあるかな、遠足のときに使う縞模様のビニールのやつ。

 電話ボックスなんて広くないんだから。扉は開いていて、女の子は背中からはみ出してる。


「でも確かにここだっPぴー


 家出かなあ。ポニーテールの女の子。黒のパーカーに、白のコットンパンツ履いてる。足元は赤いスニーカー。手荷物はないな。


「ところで、っPぴー


 GP、なにか勝手に話しはじめたぞ。


「GW期間中にカクヨムに会員登録すると、図書カードが抽選で当たるキャンペーン実施中だっPぴー

 まだカクヨムに会員登録していないみなさんは、ぜひチェックしてみてほしいっPぴー


https://kakuyomu.jp/info/entry/2025gw_cp

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