【生配信】ダンジョン馬鹿の幼馴染と校庭に生えた塔に挑みます!
ななみん。
チュートリアル
Season1 幸運の女神
第1話 生えてきたんだが!
ユニークモンスターとの戦い。
トラップに掛かるか掛からないかのスリル。
そしてまだ見ぬトレジャーハント。
つまり、ダンジョンってのは無限の可能性を秘めている。
そんな果て無き迷宮に魅入られた一人の男がいる。
ダンジョンと名のつくゲームは、『神ゲー』『普通ゲー』『クソゲー』問わずすべてやり尽くす。
もはや探索の合間に授業と飯と睡眠をこなしている。
そんな馬鹿げたミラクルを引き起こす存在。
誰が呼んだか『ダンジョン馬鹿』こと
高校生になれば現実にもダンジョンが存在しているものだと夢見ていたが、2100年を迎えてもこの世界は平穏すぎる。
天を仰いでも見えるのは青いばかりの空。
俺はゲームのような刺激を心から求めていた。
「ダンジョンよ、そろそろ生えてこい!」
これが俺の初詣にした願いごとだ。
「ダンジョンの良さが全然わからないんだけど?」
これは幼馴染
「お前いい加減に理解しろよ。ダンジョンってのはつまりだな」
「人生(笑)でしょ。それ何百回も聞いたから覚えちゃった」
良さを布教しようと、ゲームを貸したこともあるが興味を一切示さない。
それでもノリがよく話だけは聞いてくれるし、事あるごとにお節介を焼いてくる。
そんなこいつにはっきり伝えたことはないが、いつも感謝の気持ちだけは忘れない。
そんなわけで今日も退屈な授業がやってきて、俺は窓の外をぼんやりと眺めている。
いい加減生えてきて欲しいんだけどな。
そしたら即潜入からの完全制覇をするだろう。
もちろんお宝はすべて回収。
エネミーは全部討伐。
一躍クラスどころか学校、いや世界中のヒーローとなる。
そんな白昼夢に入りつつあった。
突然、地鳴りのような大きな音がすると教室が揺れ出した。
最近やたらと頻発してる地震か?
飛び起きるとクラスのやつらがわーきゃー騒いでいる。
とりあえず周りを真似て机に隠れておこう。
揺れが収まったところで机からタケノコのようににょきっと脱出。
なにやら未だにざわざわしていて、よく見ると授業をしていた担任がいなくなっていた。
おいおい、先生とあろうものがサボりとかそりゃざわつくわな。
「ちょっとカズサ、大変大変!」
隣のクラスからアマネがやってくると俺の机を叩いた。
とにかく急いでいたようで息を切らせている。
「お前、地震くらいでおおげさなんだよ」
「いいからあれ見て!」
「なんだよ、まさかダンジョンでも生えてきたって言うのかよ。お前にしてはなかなかのセンス――」
茶化しながらアマネが指差した方を見ると、校庭の真ん中には塔が一本そびえ立っていた!
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