50話 質問 3
「もし後輩ができたらどうしますか?ですって。私はすでに後輩が何人もいるから他の人に聞きましょう」
「じつはこれみかちんが入れたやみちゃんに向けた質問なんだ〜ってことでやみちゃんどうしますか!」
みか先輩がマイクを持つように私に聞いてくる。
後輩ができたら、か。考えたことなかったな。でも、こうだって思っていることはある。
「私のようになるなと言いますね。あとめちゃくちゃ撫で回したいです」
「ど、どうしてやみちゃんみたいになっちゃだめなの?」
「逆に聞きましょうかみあ先輩。私のようにミュート忘れからの本性バレ。からの分からないあだ名だらけ。なってみたいですか?」
「あ、え、えと……」
:本性バレ気にしてたんだな
:でも、やみとあかは別人って言ってたよな?
:ついに認めたのか!
:というか後輩を撫で回したいって言ったのは聞き逃してないからな!
:自分のようになるなと先輩に言われたと同時に撫で回される後輩よ
:困惑するしかないな
:まあカラーズに来るようなら個性派だろうしやみちゃんにも対処できるって
コメント欄では相変わらず好き勝手言われている。
けれど、それがどうしようもなく嬉しい。最初は見てくれる人も少なかったのだから。それがこうして先輩とコラボして話までできてる。
後輩が来たら来てくれてありがとうって言って、自分のしてもらったように背中を押してあげたい。それが本音だけれど、それは口にはしない。キャラじゃないって思うから。みんなが見たいと思うやみを、あかを見せられたらそれでいい。
「えっと、さっきの答えで良かったですか?みか先輩」
「充分だよ!後輩ちゃんできたら優しくしたげてね〜」
「もちろんですよ」
優しく、怖がられないように話すシミュレーションをしておこう。
後輩ができる日がいつになるのかも分からないけれど。
「さてもう一つで終わりにしましょうか」
「質問に答えるの楽しいけど長くなっちゃう……」
「そうね。あら、これは私が入れたものだわ。カラーズに入って良かったと思うことは?ちなみに私は、可愛い後輩に出会えたことと大好きなものについて思い切りお話できること、よ」
ハナ先輩はそう言って微笑む。
「みかちんはこうしてみあちゃんとハナさんとユニットを組めたこと!」
「みあちゃんは……こうして画面越しでもたくさん楽しい気持ちを届けられていること……それと、大好きな人と一緒に活動できてること……」
みか先輩とみあ先輩もすぐに答える。
私もすぐに答えを思いついた。
「大好きで、雲の上だと思っていた先輩と話せたりユニットを組めたりしていること、ですね」
トライアングルの皆さんとコラボして強く思ったことがある。
私の居場所はやっぱりスパイシーなのだ、と。
:なんかええ話やな
:みんなユニットメンバー大好きだな
:カラーズに入ったからこそ出会えた、か
:なんか目に汗が……
:滝行してくるわ
:涙を誤魔化すためにやることが豪快なんよ
:最後にいい話聞けたなぁ
「よしっ、これでこの質問箱はお役御免……と言いたいけれどきっとまた使うわ。何枚も入っているんだもの」
「いっぱい入れたもんね!トライアングルの配信でも使お〜」
「うん……ということで、今回はここまで……」
「みなさん、ありがとうございました!!」
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