第37話日和との約束
「今日は来てくれてありがとな豊和っち」
開口一番そう言ったのは日和。
「約束したからね」
以前天音を助けた日に日和に会ったんだけど、その時に約束してたんだよな。割り勘でいいからどこかに行こうと。まあ、今日はその約束を果たしに来たというわけだ。
「そ、それでもだよ…と、ところでどうよ?今日のあたし…」
手を後ろで組みながら恥ずかしそうにそう尋ねてくる日和。これって服装が似合ってるかを聞いてるんだよな?いい男というのは聞かれなくもまず女性の服装から褒めるんだっけ?残念ながら俺にそういうのはなかったようだ。
改めて視線を日和の服装に向ける。今日の日和の服装は春らしい黒のお洒落な服で統一されている。肩が露出しているのも魅力的に見える。だがそれだけではない。へそ出し・ミニ丈・厚底ロングブーツ・ルーズソックスの以上4点も凄く魅力的なところだろう。前世でいうとそれはもう平成ギャルを彷彿とさせるようなファッションに仕上げているのがみてとれる。
一点困るのは体のラインが分かるためその大きな胸が強調されている点だな。目のやり場に非常に困る事だ。
「え、ええと…その服装…日和に凄く似合ってる」
女性の服装を褒めるのは常識だろうけど、いざ褒めるとなるとこうして若干照れが混じってしまうな。
「ホントっ!?」
「本当」
「そっかぁ…この服を選んで良かった♪結構気合入れたんだっ♪」
なんかそんな風に言われると俺の為に気合を入れて服装を考えてくれたように聞こえるのだが?
「ま、まぁ…話は歩きながらしよっか。色々豊和っちと行きたいとこあっから」
「了解」
「あっ、その前に聞きたい事あんだけど」
「何を?」
「あそこに居るのって豊和っちの幼馴染のかぐっちと感動っちじゃねっ?」
「…ああ…それね…」
視線を向けるとそこには怪しい二人組の姿。本人達は隠れて尾行してるつもりなんだけど、「こっち見てるよ優花ちゃん!?」「だ、大丈夫よ!こっちを見てるだけよ!絶対にバレてないわ!」「そ、それならいいんだけど…」と、二人は言ってるが、なんなら会話は筒抜けだし、それに尾行していたのはバレているからな?あえてそれを二人には言いには行かないけど…。
ただ優花と凛だけじゃないんだよなぁ…。もう一人いる。彼女に関しては尾行している事に呆れるよりも流石だなと思ってしまった。その存在に気がついたのもさっきだし。優花と凛とは違い上手く隠れて尾行してきたみたいだしな。
「一応教えておくと、三人な?」
「はい…?三人っ…!?かぐっちと感動っちの二人じゃないのっ!?」
「…愛も居るな」
「愛っちもいるのかよっ!?どこどこっ!?どこにっ!?」
「ほら、あそこの女性だよ」
俺が指を指した方向に居るのはスーツを着た大人の女性の姿が。
「えっ……あれ…?あれが愛っちなの…?別人じゃん!?」
日和が驚くのも無理はない。俺も慣れるまでは驚いたもんだ。だいたいはもう愛だしなぁとかゲームの世界だしそんな事もあるだろうで済ませるようにした。最早…愛がする変装はル◯ンや怪盗キ◯ドと同等かそれ以上じゃないかな。
「えっ?愛っちって忍者の末裔か何か!?」
「忍者ではないかな…多分…」
「なんであんな事できんのっ…!?」
「…それは…訓練受けてるから…?」
「なんで疑問系なのっ!?訓練て何っ!?愛っちって、あたし達と同じ高校生だよね!?」
「日和には教えておくけど、こういう時に便利な言葉があるんだ」
「便利な言葉…?」
「だいたいは【愛だから】で済ませられるんだ」
「愛っちっていうだけで済ませんなっ!?」
「まあ、それはもう置いとくとして」
「しかも置いとくなよ!?気になるだろ!?」
「何故隠れて尾いて来てるのかは分からないけどとりあえず行こうか。害は…ない筈だし」
「あ、うん…」
(そりゃああの三人は豊和っちが心配だろうから隠れて付いてきてるんだろうけど。薄々思ってはいたけど豊和っちってあの三人の好意に気がついてない?もしかして好意にかなり鈍感なタイプ?なら…あたしは…)
「じゃ、じゃあ…行こうか…その前にっ!」
「ちょっ!?日和!?」
ムニュん!と、腕に柔らかい感触。日和が俺の腕にしがみついてきたんだ。そうなるとどうなるか…。腕が日和のその豊満な胸に沈むことになる…。
「…今日はこれで色々見て回るから」
後方から「「ああーっ!?」」とかなんとか言う二人の声が聞こえるのはとりあえずスルーした方がいいんだろうな…。
なにやら後でその二人からは色々言われそうだが…
「…了解」
「あたしの胸押しつけられて…どう?」
「…ノーコメントで」
「豊和っちには教えておくけどあたし今Fだから」
「…それもノーコメントで」
まあ、なにはともあれそんな感じで日和と街へと繰り出した。
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