第40話

 「どう?転移の魔法陣を捕食できた?」


 『ばっちり!でも魔法陣がなくなるとボス部屋の門が開いちゃうみたいだよ。早く送還してね。冒険者たちがボクたちを指差してるから。』


 「分かった。すぐに送還するよ。」


 僕は向こうに置き去りなっているスライムたちを送還してしまう。


 それにしても魔法陣が無くなって閉じ込められるなんて事が起きなくて良かった。そうなったら死ぬまであの場所に居ないといけなくなるからね。


 新しく召喚可能なスライムが増えているかどうかを確認するのは後で良いかな。まずは冒険者ギルドで魔石やドロップアイテムに宝箱から手に入れたアイテムの売却をしなきゃな。


 僕は一旦周りにいるスライムをリム以外は送還すると、リムと護衛の騎士たちと一緒に冒険者ギルドへと向かった。


 僕も一応はダンジョンに入る前に冒険者ギルドに登録はしているが、冒険者として働いてはいないので最低ランクのGランクだ。


 今回のダンジョンの攻略でゴブリンのドロップアイテムの収集と魔石の収集の依頼が達成したことで、僕は初めての依頼料を受け取ることになる。


 本来なら騒がしいのだろう冒険者ギルドは護衛の騎士たちが居たからか、僕が冒険者ギルドを出るまで騒がしくしている冒険者はほとんど居なかった。


 絡まれたらどうしようかと考えていたので絡まれずに済んで安心している。宿屋に帰る前に昼食を済ませてからまだ宿屋には帰らずにルナーツを観光することにした。


 何か掘り出し物でも見つからないかと市場で開かれているスペースで色々と置かれている商品を眺めるが、特に掘り出し物と呼べる様な物は何もなかった。


 他にも色々な武器屋や防火屋なんかを回ったりするが、特に興味が惹かれる物はない。出来れば新しいスライムが召喚するのに必要そうな物がないかを見つけたいところだったが、そう簡単には見つかりそうにない。


 そうして回って5店舗目の武器屋で呪われていると思われる武器を発見する。


 「これってなんですか?」


 「ああ、それか。それは貴族の坊ちゃんが使う様な物じゃあないよ。呪われているからね。」


 やっぱり見た目の禍々しさで呪われているのではと思っていたが当たっていたようだ。


 僕は武器屋の店主に他にも呪われた武器はないかと聞けば、まだ数点だけだが呪われた武器が店の裏の倉庫にあると言い、購入するからと交渉して呪われた武器を数点購入することが出来た。


 「カナタ様、それは持ちましょうか?」


 「リムに収納して貰うから良いよ。リム、お願い。」


 『いいよ!』


 購入したばかりの呪われた武器はすぐにリムがボックススライムの力で収納してくれた。


 それからも幾つかの店を回ってから泊まることになる宿屋へと帰ると、泊まる部屋でリムに今回の購入した物や売却しなかったダンジョンの宝箱の戦利品を出して貰う。


 リムが出した物は呪われた武器と防具を含めた装備が6つ、珍しい形をした武器や防具が7つ、魔力で光を放つ石である光石が3つ、ダンジョン産ポーション類が2つだ。


 それらを改めて召喚したスライムたちと共にリムにも捕食させてから、僕はスライム召喚のリストを確認する。


 「ゴブリンを捕食させても何も増えていないみたい。増えたのは3種類だね。」


 スライムドクター、トラップスライム、カーススライムの3種類が増えていた。


スライムドクター

薬や魔法薬、道具を使って傷や状態異常を治す特殊なスライム

攻撃方法

体当たり

体内に取り込んでの消化

体長30センチ


トラップスライム

罠を生成し罠を仕掛ける特殊なスライム

魔力を消費することで捕食した事のある罠を生成する事が出来る

攻撃方法

体当たり

体内に取り込んでの消化

罠を仕掛ける

体長30センチ


カーススライム

相手を呪い呪いを吸収する特殊なスライム

受けた、又は捕食した事のある呪いを生み出して相手を呪う

攻撃方法

体当たり

体内に取り込んでの消化

呪詛

体長30センチ


 これが今日の成果だ。どのスライムも使い方次第だろうが上手く指示を出せる様になろう。


 特にトラップスライムやカーススライムは使い方が難しいが、その分だけ戦い方も変わるはずだから。

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