光風のときめき〜300字掌編集〜

蒼河颯人

第1話 お題「雪」「飴玉」「後悔」

 ちらちらと舞い降りる雪。

 真皓い雪。

 降り止まぬ雪。

 宙を飛ぶ雪。

 風に吹かれる雪。

 止めどなく降り続ける雪。


 雪見を独りでするようになって、一体どれ位の月日が流れたのだろうか。

 ああ、そう言えば君は、この飴玉が好きだと言っていたな。

 透明だけど、まるで虹のように輝いていて、全てを見通しているようなところが良いって。

 そう言う君の瞳は、冬の泉のように澄んでいて、とても美しかった。

 その無垢なる輝きは、今でも脳裏に焼き付いていて、消えようとしない。


 私はこれまでずっと、後悔しないように生きてきた。

 だが、唯一痛恨に思うことがある。

 それは、誰よりも愛する君の想いに応えることが出来なかったこと。

 それだけが、無念でならない。

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