第9話 僕と2人乗り
自転車の2人乗りは禁止
それは法律がどうのこうのではない
そう、危ないのだ
青春の1ページ、女の子を後ろに乗せて下り坂をゆっくり下る。
男友達とくだらない話をしながら2ケツ。
わかる、青春だよね?
凄い青春だと思う
青春を法律が邪魔している?
そう思うよね?
だけど聞いてほしい、2人乗りがなぜ禁止なのか。
それは
危ないからです
今日はそんな話。
これは僕がまだ中学生の頃の話。
この日僕らは珍しく部活もない日曜なので映画を観てきた。
何を観たかというと当時流行っていたサングラスをかけて銃弾を反って避けるあの映画。
あの映画を大魔王にエアガンを撃たれてまくっていたホームベースとサッカーの天才、天才くんと同じ野球部でスカイラインをこよなく愛すスカイラインくんの計4人で観に行っていた帰りとあるハプニングが起こった・・・
映画を観てハイテンションの僕らは駅前の駐輪場に向かい自転車を3台出した
そう、3台だ
ハプニングにするまでもない話なので省略するが僕はタイヤのついたものを運転すると高確率でパンクor壊れる、1輪車ももちろん自転車は当時で5台目、小学生の時にもう運転するのやめたら?
と友達に言われるくらいタイヤの付いたものと相性が悪い、買ってもらってから1週間の経たずにチェーンが切れて茂みに突っ込んだ時は流石にもう運転するのやめるかと考えた。
そんなわけでこの日も絶賛自転車はパンクし直す時間がなかったので僕はスカイラインくんの後ろに乗って駅まで来たのだ。
当然来た流れで帰りも後ろに乗る予定だったが流石に行きも帰りもは悪い気がしてきたので
「スカイラインくん!帰りは僕が運転するよ!」
「いや、いいよ、俺が運転するよ」
秒で断られる僕。
しかしどうしても運転したい僕はハンドルを握りスタンバイOK
「スカイラインくん、僕を信じて」
アラジン並みに真っ直ぐ見つめるとスカイラインは根負けし後ろに回ることに
こうして僕らは帰ることになり、サイクリングロードから帰ることにした。
ここは人通りもあまりない割に広さがあるので安全に帰るにはうってつけの道だからだ。
人通りもないということで最初は話しながら運転していたが僕らの中の何かのスイッチが押され気がつくと
爆速で自転車を漕いでいた
ゲームセンターでスリルドライブをやった僕らはもう止まらない
ホームベースや天才くんも思いっきり漕いで白熱したデッドヒート、首都高バトルならぬサイクリングロードバトルは幕を開けた
「オラァ、転けろコラァ!!」
肩をぶつけ合い一歩も譲らない攻防戦、後ろで立ち乗りのスカイラインくんはぶおんぶおんと横へ縦へ揺れながらも
「スピードが足りねぇよスピードが!」
ノリノリだった
元々レースゲーム大好きなスカイラインくんはこんな状況でも楽しんでいる、4人とも笑顔、映画も観れてこんな楽しい時間が続けばよかった・・・
けどこれはハプニング話し、これで終わるわけはない
全速力で走ること数分後前には車が入ってこない用の鉄のポールが立っている
ホームベースは原則に天才くんは上手く避け前に出た、この時僕は勝負に出ることにした
ポールを避ければホームベースを一気に距離を取れる!
そう考え更に全力でペダルを漕ぐ
そんな僕の気持ちを察してスカイラインくんも覚悟を決める
そして僕は一気にポール際を攻める!!!!
次の瞬間
エッオー
僕たちは空を舞っていた
今日見たせいか随分空にいる時間がまるであの映画のようにスローだ、景色を見る余裕さえある
ちなみに高さは天才くんを完全に上から見ているので一階の天井くらいの高さまで吹っ飛んでいる。
そしてスカイラインくんは
そんな僕を完全に上から見えるくらい飛んでいた
このまま落ちたら痛いだろうな、受け身取らなくちゃ・・・
そんなことを思い体制を整えようとする時さらなるハプニングが襲う
体制を整え用とした時ポケットに何かが入ってる違和感が
エッオー
ゲームボーイアドバンスSPが入ってる・・・
これ受け身とったら僕のSPは絶対に無事ではない、壊れたらRPGツクールの続きが出来ない・・・
僕は覚悟を決めた
受け身を取らずSPを守ろうと
こうして天才くんから見たら2発のミサイルは綺麗に受け身を取ったスカイラインくんと右ポットを全力で守る形でグシャッと落ちた僕がいた
肩と腰から血を流しながらスカイラインくんに駆け寄ると受け身をちゃんと取っていたので無傷で笑っていた、気になるSPも無傷だったので僕も笑顔だ
そして気になる自転車だが
前側はくの字に曲がり自転車の原型を留めていなかった
椅子の位置ギリギリまで曲がっておりどんなスピードでぶつかったのか恐ろしくなった・・・
「スカイラインくん、ごめん!!!マジ弁償する!!」
想定以上の大事故で天才くんも後からきたホームベースを目が点になっている
しかしいまだにスカイラインくんは笑っている
「自転車のこんなん初めて見るわ!いやー死ぬかと思ったー。弁償?いいよこれ本当はシローにあげるつもりだったんだよ」
ん???
「じつは新しい自転車欲しくなったから今の自転車どうしよっかなーって思っててさ」
僕は強がりだと思い更に本気で謝る、がスカイラインくんは強がってる様子もなく淡々と
「いいよ無事だったし、自転車くらいで何本気で謝ってんだよ??」
僕がおかしいのか?
自転車くの字に曲がってるんだぞ????
しかしこの後も笑いながらもう漕げねーよとくの字に曲がった自転車だったものに跨って楽しそうにしている、無傷なようで頭でも打ったのかと本気で心配し始めた時ホームベースがふと空を見上げヘリコプターを見ながら言った一言で僕はスカイラインくんが本気で言ってることを理解する
「あーあ、ヘリコプターあれば自転車なくてもラクに帰れるんだけどな〜乗ってみてーなー、ヘリコプター」
「え?ホームベースヘリコプター乗ったことないの?」
ヘリコプター乗ったことないの??
ホームベースも天才くんも僕もキョトンとなる
「あ、ヘリコプターってあんま普段乗らないのか!」
普段乗んないか???
いやいつ乗るんだ逆に????
「いやいやヘリコプターなんて乗らないだろ!」
ホームベースが当然の事を言うがスカイラインくんはハテナマークをつけながら口を開いた
「え?家にヘリコプターあるんだから乗る機会はあるだろ」
僕はこの一言を聞いてから今までの人生でヘリコプターに乗ったことあるエピソードは何人からか聞いたことはある、しかし。後にも先にも家にヘリコプターがあると言われたのはスカイラインくん以外今のところいない、そして友達の家に駐車場以外に[H]と書かれたヘリポートがあるのも彼以外知らない・・・
ヘリコプターあるんだから、そのパワーワードで僕らは全て理解し、次の日キラッキラの自転車に乗って現れたスカイラインくんを見て住む世界が違う友達だとわからされた
そして今回はお互い無事だったが2人乗りは大変危ない!!!
本当に危ないですからね!!?
お気をつけください!!
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