第8話 僕とピーマンくん TKBとクラゲさん



僕の地元、通称日本のラクーンシティから自転車で1時間くらいのところに海がある。


夏になると僕らはよく自転車でその海に泳ぎに行ったり釣りをしたりしに行っていた。


中学生になり初めて夏休み、この日も汚いくせに何故か海水浴場として人気なこの場所で僕らはギャルなお姉さんを見に…いや海水浴をしに僕らは海にいる。



今日来たメンバーは遠足前などの行事前に怪我をして行けなくなる天性のM属性のMっちゃんとピーマンヘッドのピーマンくんの男3人


ギャルを見ながら浮き輪に揺られる夏休み




最高だ…!!



そんな邪な僕たち3人にバチが近付いてきた



浮き輪に揺られてる僕らと同じく水中でゆらゆら揺れてる半透明の生き物


そう


クラゲさんだ


お盆が過ぎ先祖が牛に乗って帰るころ大量に押し寄せるクラゲさん


この海水浴場も例外ではなく彼らは大量に現れる


いや、むしろ他の海よりも体感多めに彼らは現れる



そしてこの海は透き通っていないので体感多めのくせに目視が困難…



ということは






「いっっっっって!!!」




気づいた時には遅いんだ





今日のターゲットだったピーマンくんが叫び声を上げた瞬間僕とMっちゃんは光速でその場を離れ陸へバタフライ


叫び声をあげたピーマンくんもこの世の終わりのような顔で陸へ向かう




こんな海なのでクラゲに刺されることはまぁまぁあったのでクラゲさん怖っ!!など陸へいち早く逃げた僕とMっちゃんは笑っていたしいつもなら痛みに耐え笑うピーマンくんがいるのが今回は様子がおかしかった



胸を抑え痛みに悶え苦しむピーマンくん






「ハァ・・・ハァ・・・い、痛ぇ・・・痛ぇ。TKB刺された・・・」



TKB・・・


そういい死にそうな顔でTKB周辺を抑えるピーマンくん







よりにもよってそんなピンポイントな場所を・・・



正直爆笑したい・・・


しかし本当に痛そうなのでシャワーの場所に連れて行きクラゲに刺された時用のキンカンを渡し昼時なので一旦浜辺でチルタイムをすることに



「いやー!!マジでTKB痛かったわ!消滅したかと思ったわ!」


昼ごはんを食べながら回復したピーマンくんはTKBを刺されたことを武勇伝のように話していた。


「あの時はマジで焦った!マジで!」


いつもより目を見開き話しているが、あの時って・・ほんの2時間前なのよ・・・


ピーマンくんのTKB話も流石に飽きてきたので僕らはまた泳ぎに行くことにしようと立ち上がると


「お?また泳ぐ?2人ともマジクラゲには気をつけろよ!?めっちゃ痛いからな!!?・・・あれ?」


目を見開いていたピーマンくんは立ち上がった瞬間本当に悲劇が始まった


「・・・ゆい・・」



ん?


「か・・・い・・」


なんだって?


「か・・ゆい・・・」


え?





「かゆい・・痒い・・TKBが痒い」




はぁ??


「だからTKBが痒いんだよ!!ウ、ウォォォォォォォ!!!!」


目を更にガン開いたピーマンくんは徐にTKBを掻きむしりだした


相当痒いらしく止まらないピーマンくん


ピーマンくんの奇行に周りの人達もなんだ?なんだ?と集まり始め出した


「お、おいピーマンくん落ち着けよ」


僕らは周りの目も気になりピーマンくんに静止を求めるが小型犬なら目が飛び出てしまうくらい開いたピーマンくんはもう止まらない


「ウォォォォォォォ!!!」


叫びTKBを掻きむしるピーマンくん



そして


「…あっ」


一言寂しい声を出し掻きむしるのをやめた


なんでだろうと僕はピーマンくんを観察すると驚愕した顔をして足元を見ている・・・僕も目線の先に目を向け原因に気づいた







エッオー



みんなは見たことがあるだろうか






砂浜に友達のTKBが落ちているのを






「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」」」




砂浜にちょこんと落ちた不自然過ぎる1つのTKB



TKBを掻きむしり過ぎると取れる、これは僕が中学時代学んだことの1つとして刻まれることになり





「TKBが取れたぁぁぁぁ!!!」




海岸中にピーマンくんの咆哮が響き渡った










こうしてピーマンTKB事件があり数ヶ月が経ち中学中でTKBは掻きむしると取れるということが知れ渡ったある日



ピーマンくんは僕とMっちゃんを呼び出し



ウキウキしながら目が見開きこう言った






「TKBが生えてきた」








また1つ学びが刻まれた。





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