第2話
月の光を反射するほどに綺麗な白銀色の髪は腰まであり,整った眉と鼻,薄いピンクの唇,エルフを想像させる長い耳,外見は10代と思うほどに幼く見える。
しかし放っているオーラは彼女がとても強い魔族であることを物語っている。
美少女という言葉では足りないほどの美貌を放つ彼女に 不覚ながら俺は魅入ってしまう。
そしてつい口にしてしまった。
「綺麗。」と…。
その言葉を聞いた瞬間彼女は顔を紅潮させて言う。
「わ,妾が美しいじゃと!?///お主,妾を口説こうとしとるのか!? うぅ~///」
お父さん,お母さん。
やっぱり俺,死んでもいいかもしれないです。
「だって,実際綺麗じゃないですか。」
「お,お主!まだ言うのか!///妾,恥ずかしゅうて死んでまう///...」
そう言って彼女は自分の顔を隠す。
いや,手が小さくて隠しきれてないから未だに顔が真っ赤なのは見てわかる。
うん…。
可愛い。
数十分ほどして少し落ち着いた彼女が言う。
「お主,名前はなんと言うのじゃ?」
「俺ですか?俺は野村あおいです。」
「ほう,あおいか。妾はルシウスじゃ。お主はなぜここに?」
彼女はそう言って可愛らしく首を傾ける。
「俺は──。」
そして俺は転移させられたこと。
バグによってここに転送されたことなど,これまでの経緯を彼女に話した。
それを聞いた彼女が,俺にとってとても嬉しい提案をしてくれた。
「ならばお主,妾の家に来るか?」
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