熱病により「ばけものの左目」と呼ばれるような姿に変わってしまった茜子。
一方、一つ年上の姉の梓子(大姫)は同じ熱病で胸に痣は残ったものの、通力を手に入れ評判になっている。
その大姫がある日、都の大社の若君から求婚されたという。
親にも虐げられている弟姫の茜子は、浮かれる両親と姉を見ながら我が身の不遇に虚しさを感じていた。
ある夜、大天狗の嫡男だという千颯という少年が茜子のもとを訪れ、「君と俺は番だ」と告げる。
二人は不思議な夢の出来事のような逢瀬を重ねてゆくのだが……
三年の逢瀬の中で少年から大人へと変じる千颯、比翼と呼ばれこの夢が現実であればと思う茜子の気持ちが切なく響きます。
千颯の言う比翼とは? 大社の若君とは一体? 千颯の知る歌の意味は?
左目と痣の謎が解けた時、茜子がどうなったのかをどうか見届けてください。
作者様の古典文学への造詣の深さはさすがなものです。
時代もの恋愛もののお好きな方にぜひおすすめです!