ミミちゃんの嘘つき日記

さとちゃんペッ!

第1話  誕プレは日記帳

【日記】6月30日 晴れ


今日はミミの誕生日。

わたしもとうとう10歳になりました。


ママ、本当にありがとう。

野菜スープも、ケーキ型のおすしも、すごくおいしかった。

やっぱりママは健康的なご飯を作る天才だと思う。


そうそう、この日記帳はママからの誕生日プレゼント。

「10歳になったから、文章力を身につけなさい」

──きっと、そんなメッセージなんだろう。


ただひとつ残念だったのは、パパがいなかったこと。

今日もお仕事をしてくれてありがとう。

ミミたちのためにがんばっているって、わかってるよ。


……


──わたしは、知ってる。

ママは必ずこの日記を読む。

わたしが学校に行っている間に、こっそり全部読むに決まってる。


だから、ここにはしか書かない。

本当の気持ちなんか書いたら、

ママはきっと、鬼になる。


ある意味ラッキーかもしれない。

嘘の日記を書いて安心させておけば、

被害は最小で済むから。


……わたしの敵はママ。

世界で一番、苦手な人。

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