日常のイラッとすること②!

崔 梨遙(再)

1話完結:1700字

 30代の半ばだったかなぁ……まあ、10年くらい前の話です。



 その時、僕には彼女がいなくて、10歳くらい年下の真美子と加奈子と知り合った。真美子は主婦、加奈子はバツイチ子持ち。僕は、加奈子に興味があった。年上が好きな僕が、10歳くらい年下の女性に惹かれるのは珍しい。だからこそ、加奈子と付き合ってみたかった。今、彼氏がいないということは聞いていた。チャンスだが、急がないと、加奈子ほどの美人ならスグに彼氏ができてしまいそうだ。加奈子は身長が156~158センチくらい。157と言ってたかな? だいたい、そのくらいだ。スレンダーという印象ではないが、普通体型よりは少しだけ痩せている。しかし、出るべき所は出ている。胸はあった。僕が見た感じではDカップくらいだと思われる。もしかしたらEかもしれない。ウエストは引き締まっていた。僕は女性の『くびれ』が好きだ。加奈子のくびれが好きだった。膝より上の丈のスカートからはキレイで長い脚が見える。加奈子のことはチェックしていた。僕は、好きな女性のことは結構チェックする方だ。とにかく、加奈子は魅力的だった。1番好きだったのは加奈子の顔だったのだが。しかし、なかなか加奈子に電話番号などの連絡先を聞き出すチャンスが無かった。


 真美子の電話番号はスグに手に入った。真美子の方から教えてくれたからだ。真美子は加奈子の中学校時代からの友人だ。真美子が僕に好意を抱いてくれたおかげで話がややこしくなったのだ。加奈子と話そうとすると真美子が邪魔をする。僕の場合、そういうことがよくある。好きな女性の友人に好かれてしまうのだ。


 或る日、好意を持ってもらっているのを承知で、真美子に聞いてみた。


「加奈子ちゃんの電話番号、教えてくれへん?」

「教えたくありません」

「そこをなんとか」

「ほな、私とデートしてください。デートしてくれたら教えます」

「マジ? マジで教えてくれる?」

「はい、デートしてくれたら」

「ほな、デート……しよか?」



 真美子とデート、盛り上がらない。とりあえずレストランでランチ。その後、カラオケ。真美子はなかなか加奈子のことを話題にしない。


 カラオケを出て、僕は聞いた。


「あのさぁ、加奈子ちゃんの連絡先は? 約束やで、教えてや」

「私とデートしておきながら、それを聞くんですか? それって、ひどくないですか? 崔さん、私の気持ちを知ってるんでしょう?」

「そんなん、話が違うやんか」

「いいじゃないですか、私とデート出来るんですから」

「いやいや、あなたは人妻でしょう? 人妻には手を出せないし」


“やられた! 一本取られた-!” 完全に手玉にとられた。真美子の方が上だった。そして、“やられた!” と思いつつイラッとした。


「またデートするから、教えてや」

「ダメです。デートはしましょうね」

「いやいや、加奈子の電話番号を教えてくれないなら、もうデートしないよ」

「じゃあ、私とホテルに行ってください。それなら教えます」

「あなたは人妻やろ? 僕、不倫は嫌や」

「じゃあ、やっぱり教えません」



 ということで、僕は結局加奈子の電話番号を聞き出すことは出来なかった。僕は更にイライラッとした。真美子が男だったらケツを蹴り飛ばしていたかもしれない。僕は女性には暴力を振るわない主義だった。でも、真美子は蹴り飛ばしたかった。


 後に、実は加奈子がギャンブル好きで、時には生活費さえギャンブルにつぎこんでしまう爆弾娘だということがわかった。危なかった。加奈子と付き合ったら、また貢がされるところだった。僕は過去にこういうギャンブル好きな女性と付き合い、“生活費が足りなくなったからお金貸して!”と言われて貢いだことがある。



 人は見かけによらないものだ。イラッとしたが、結局、それで加奈子と深い関係にならずに助かったのだ。だが、真美子には素直に感謝できない! 今、思い出しても真美子は憎たらしい! やっぱりケツを蹴り飛ばしてやりたい! 女性には暴力を振るわない主義だから、それは出来ないのだけれど。







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日常のイラッとすること②! 崔 梨遙(再) @sairiyousai

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