ふと、そういえば虫にまつわることわざとか多いなあと思い、わたしの思い出とこじつけてみました。――本当に独断と偏見のこじつけですので、皆さま『なんやそれ』などとつっこみながら、ゆる～くご覧いただければ幸いです。

　もう十年以上も前の話になります。わたしと夫と、姉と姉の元夫の四人で日本海の方へ旅行にいきました。

　泊まったのはホテルじゃなくて、こじんまりとした日本旅館。チェックインをして、まずはお風呂に入ろうかとなり、向かう途中で、これまたこじんまりとしたみやげコーナー（ほんとに“コーナー”って感じでした）をひやかしてみました。

　そこには端のほうにコーヒーの自販機、缶じゃなく紙コップに注がれるタイプのものが設置されていました。

　何気なく見たらその自販機、横に湯飲みが置いてあったんです。十個くらいだったでしょうか。もうピッタリ横に。…どう見ても、これで飲めと言わんばかりです。

　自販機の取り出し口に貼られた紙に気づき、見ると『↙こちらをお使いください』の文字が。でしょうね。

“紙コップ”じゃなくて、“湯飲み”。

　誰もが一度は目にしたこと手にしたことがありそうな丸みを帯びたコロンとしたフォルム、白地に紺色で水玉な、日本のザ・湯飲み茶わん。食堂や会社に来客があった際などによく使用されてそうです。もちろん旅館でも。

　ええ、レトロでかわいいと思います。おしゃれな和食器は、洋食や中華などを盛りつけてもすてきですよね。憧れます。

　ですが。この、白い和（わ）すぎな湯飲み。

　それに入れた漆黒のコーヒーを想像する。うーん…黒いね。ブラックコーヒー以上に、ミルクが入ったカフェオレなんかだと、よりいっそう湯飲みとその色の組み合わせに違和感を覚えてしまいます。――町中華でよく見かけるようなラーメン鉢（外側が朱色で内側に龍や雷紋（らいもん）がぐるりと描かれているイメージ）にきつねうどんが入ってる、みたいな？　それか、カルボナーラとか入れてみる？

　自宅だとめんどくさいからこれでいいや、てことはあるし、おなかに入れば一緒とも思うけど、なんとなーく、コレジャナイ感。ちょっと脳がバグります。

【螻蛄（けら）の水渡（みずわた）り】　　　　　　　　　　　　　　　　　

〖まねをして努力しても成し遂げられないことのたとえ。また、初めは熱心だが途中でやめてしまうことのたとえ。オケラの水渡り。

　有名な童謡の♬オケラだ～って、のケラ（コオロギの仲間）です。

　♬湯飲みだ～って〗

　そのあと、すぐそばにいくつか置いてあったみやげのお菓子（ほぼおまんじゅう）を見ていると、気づきました。

　そのなかのひとつ、あるおまんじゅうなんですが、それ……、

　賞味期限、切れてる。

【獅子身中（しししんちゅう）の虫】

〖仏法用語。獅子の体内に寄生する虫が獅子の肉を食べ、ついには倒してしまうという、仏徒でありながら仏の道に反して害をなす者のこと。それが転じて内部（味方）にいながら災いをもたらす者や恩を仇（あだ）で返す者のことをいう意味になりました。

　えーい、みんなも賞味期限切れになってしまえー（まんじゅう心の声）〗

　…冷静になると、もう自分でも何を書いているやらです。すみません。でも、こんな感じで続いていきま～す。