次弾のアバターのカードで面白い挙動を見つけましたんで共有
①このエッセイを書こうと思った背景
2025年11月11日深夜。MTGのスタンダードにおいて「迷える魔導士、ビビ」、「叫ぶ宿敵」、「プロフトの映像記録」の三点が禁止となった。
かねてより言われていた大会での使用率の高さに加え、前回と含め二度繰り返された赤青絡みの禁止改定。また、「ビビとアガサ魂の大釜のシナジーを見逃した」という文言からも、何度となく繰り返される運営の体制不備に苛立つ人も多いのではないか。
……なぁんて小難しい文章書いてもしょうもないし、禁止改定が今回の本題じゃないんだけどね。でもね、禁止改定の内容にいい文章があったんで拝借。
「対処しづらい、あるいは相互の作用・対応をほとんど許さないカードやコンボを今後も禁止していく」
うん、そうだよねー!
じゃあ……俺が見つけたこのコンボはどうですかね……。
ちなみに一言前もって言っておくと!俺が発信する前にほかの人も気が付いてたかもだし、俺はいいコンボを見つけたから事前に知ってほしいがために筆を執りました!!!だから知ってたら、心の中で手札をシャカパチしながら「へー、だから?」と冷笑しておいて。いやしないで、シャカパチも冷笑も。
閑話休題。今回紹介するのは、命名するに「緑単ランクリ」。来る新弾「MTG×アバターコラボ」ででるある効果を使った……ちょっと本気で禁止になりかねないデッキだ。
②緑、最強!緑、最強!緑、最強!
はい、さっそくデッキのコンセプトです。
アバターコラボに追加された効果、「土の技」を使用した高効率展開デッキです。
効果の説明前に、必須パーツを述べておくと。
「アナグマモグラの仔」
「ラノワールのエルフ」
「白緑境界ランド、あるいはマルチバースへの通り道。および基本森」
「家畜盗みの暴走」
「4マナで土地をデッキから2枚持ってくるソーサリー(種類不問)」
そして最後に
「強靭の徳目」や「嵐の目、ウギン」など、7マナ帯のデカブツ(緑で唱えられるものなら何でもよし)
はい、最後の一文で一気に不穏になりましたね!解説します。
デッキの動きを開設する前に、アバターコラボで追加される「土の技」について解説をば。
「土の技」は「自分がコントロールしている土地を0/0のクリーチャーに、その上に『土の技X』のX分だけ+1/+1カウンターを乗せる。その土地は速攻を得る。破壊されたり追放されたら、タップ状態で自分の場に戻る」という効果です。
ええ、やってます。でもまだ「火の技」よりはやってないです。……このデッキを編み出すまでは、そう思っていた時期が僕にもありました。
さて、各カードの解説を挟みつつ、最高率の動きを出しますと。
まず1ターン目。「白緑境界ランド」か「マルチバースへの通り道」をダメージを払ってアンタップイン。「ラノワールのエルフ」を唱えます。ここまでは普通。
2ターン目。1ターン目に置いた土地が「白緑境界ランド」ならば「基本森」を、「マルチバースの通り道」ならば「白緑境界ランド」を置き、「ラノワールのエルフ」と「白緑境界ランド」以外の土地から2マナ引き出し、「アナグマモグラの仔」を出します。
「アナグマモグラの仔」は出たときに「土の技1」を発動し、さらにクリーチャーから出すマナに「緑」1マナを追加で引き出せる常在型効果を持ち合わせています。
そして、土の技1の対象は、「白緑境界ランド」。これによりこの土地は1/1のクリーチャーとなり速攻を得ます。
そしてターンエン(まだ俺のターンは終了しちゃいないぜ!<ダニィ!?
はい、茶番はここまで。「白緑境界ランド」から「白」1マナを引き出します。そうすると、「アナグマモグラの仔」で「緑」1マナも追加でマナプールに追加。
これで合計2マナ。唱えるのは「家畜盗みの暴走」。これの追加マナで選ぶモードは「すべてのクリーチャーをアンタップする」。
はい、わかりましたねー?これで「ラノワールのエルフ」もクリーチャー化した「白緑境界ランド」もアンタップします。そして再度タップするとあら不思議、「アナグマモグラの仔」の効果で合計4マナがマナプールに追加されます。
じゃあ唱えるのは?「4マナで土地を2枚持ってくるソーサリー」。同型再販や類似品が多いですが、お好みのを使ってください。
というわけで、タップインではございますが……土地が合計3枚。クリーチャー化した土地が1枚。ラノワールのエルフが1枚。
つまり3ターン目には土地の3マナに加え、「ラノワールのエルフ」と「白緑境界ランド」から、「アナグマモグラの仔」の効果で4マナ引き出せるわけで。
はい、3ターン目。「強靭の徳目」でも置くか、「嵐の目、ウギン」で相手盤面を整理するかしてあげましょう。デッキによってはこの段階でサレンダーできますね。
③このデッキを考え付いた経緯、そして問題
きっかけは11/11日の禁止改定で本命候補とみられていた「アガサ魂の大釜」が禁止改定から漏れた、つまりセーフ判定をもらった時だった。
チャットGPTと今後のマジックの未来を議論している最中、ふとアバターコラボのカード「アナグマモグラの仔」が目に入った。なんてことはない、土地をクリーチャーにするカード。いけにえにするランデス土地との効果は聞いてたけど……ふと、その時思いついたのはこの「アガサ魂の大釜」。
「アガサ魂の大釜」はこのカードで追放したクリーチャーの起動型能力を+1/+1カウンターを持つクリーチャーすべてに持たせる効果を持つ。もちろん土地はクリーチャーじゃないから追放しても意味がない……てのは、実はこれを執筆してる最中に気が付いたのは蛇足として。
ともあれ、俺は本気で「アナグマモグラの仔」で無限土地攻撃を出せないか考えていた。──考えている最中に、気が付いた。
「ラノワールのエルフとアナグマモグラの仔、あとは白緑のアンタップイン土地……これで7マナ出るよな?」
その瞬間俺は興奮で眠れなくなり、今日の朝は非常に遅起きだった。ともあれ何度も検証し、GPTの演算も手伝って「理論上は可能」ということに気が付いた。
そして今……俺は新たな禁止カードの存在を突き止めてしまったかもしれないと、ちょっと怖い!杞憂であってほしいとすら思う。
理由は簡単、理論値3マナでウギンだの緑徳目が安定するならばもはやそれはスタンダードではないのだ。というかパイオニアでもない、モダン以下のエターナルフォーマットだ。もちろんこれは最速の場合だが……ラノワールのエルフ枠は他にもいる上に、緑だからこそほかのパンプ手段も豊富。「アガサ魂の大釜」も入れて損はない、だって絶対「土の技」を使うクリーチャーは存在するし、「ラノワールのエルフ」を除去されても「アガサ魂の大釜」で追放すればマナクリにできる。
そして……ここが最大の問題点。
除去は一部を除き、「土地でないパーマネント」しか指定できないから。
致命的なのは白のエンチャント。追放除去が「アナグマモグラの仔」か「ラノワールのエルフ」にしか通用せず、しかも基本は3マナ以上の一時追放がメイン。条件が合えば1マナ・2マナで「ラノワールのエルフ」か「アナグマモグラの仔」を追放できるが……もし2ターン目に相手が4マナを立たせてたら?
勝負は圧倒的に不利。これではエンチャント軸の対戦で明確かつ不合理な不利をもたらそう。
これは黒や赤のクリーチャー対象除去でも変わらない。なぜならスペルで、クリーチャーやパーマネントの出たとき能力で、土の技ででた土地クリーチャーを破壊しようが追放しようが、必ず相手の場に戻ってくるから。つまり「土地の数は変わらない」。
精々勝負できるのは青のバウンスのみ。──健全な勝負とは言えないだろう。
TCGは相手にどれだけリソースを吐かせるかの勝負だ。だがもしそれが、1枚のカードで根本的不利を相手に押し付けるのであれば。
次の禁止改定で、「アナグマモグラの仔」は禁止になるだろう。もちろんこのデッキが隆盛してしまえば、だが。
④ここまで煽情的に不安をあおってなんだけど……
未来は分からない!だって、理論値が決まるならTCGは苦労しないよね!だからみんな、好きなカードを使おうぜ!
それに、禁止改定自体はあってしかるべきだと俺は思う。だって、今までが少なすぎたから。
禁止のない安定した環境は、言ってしまえばそれもまた「不健全」。変化がなければ、常に上位を争うのは一部のデッキばかりだ。そういう時期にMTG初心者として経験したからこそ……俺は、変化こそ正義だと思う。
とはいえ今回の禁止改定はやるせない人も多いと思うよ!だって初歩的なミスを運営が認めてるんだから。
でも、そういうミスを洗いざらい報告して、それでも生き残ろうとするMTGを、俺は応援したいかな。
あとは……みんな、初動のシングル買いはほどほどにね笑。俺も開花の亀で見事失敗したくちなんで笑。
んじゃ、またアバターの世界で会いましょう。では
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