第14話 休校

 中間テストまで1ケ月を切った、そろそろ勉強をやっておかないといけない時期になった。

 でも絵美は部活などで僕と会う機会があまりないので、勉強を教える機会も取りづらい。何とか策を考えないと……。

 そうだ、会って勉強するのが難しいなら、勉強の効率的なやり方を教えればいいんじゃないか?

 早速自分が普段やっている勉強法をノートに取っていった。

 昼休みになり、絵美と一緒にご飯を食べている最中、先程書いた勉強の方法をまとめた紙を絵美に見せてみることにした。


 「あ、そういえば中間テストまで残り1か月切ったけど、会う機会とかあったりする?」

 「会えるのはテスト一週間前とかかな? 部活も休みになるから」

「そうだよね、そういうと思って、ちょっと渡したいものがあるんだけど……」


 僕は隣に置いておいたノートを手に取って、絵美に渡した。


 「これ、僕が勉強するときにしてる効率のいい勉強法とか書いてあったり、今回の中間テストの要点とかをまとめてあるから、これ見て勉強してみて、絵美部活で忙しくて勉強する時間あまりないでしょ? なら勉強の質をよくしようと思って」


 絵美はノートをぺらぺらめくる。


 「わざわざ書いてくれてありがとう、このノート見て勉強してみるね!」

 「うん、役に立つと嬉しい」

 翌朝、スマホの通知が鳴り、見てみると絵美がメッセージを送っていた。


 2時09分「昨日くれたノートに書いてあった方法試したら、集中して勉強できたよ、ありがとう! あと要点のまとめがめちゃくちゃわかりやすかった!」


 おお、今思ったけどこれがほぼ最初のメッセージ、お互いスタンプのみでずっと放置されてたから絵美と連絡先交換してるのもすっかり忘れていた。

 ん? ていうか2時09分って、凄い時間にメッセージ送ってるな……。とりあえず返信するか。


 6時41分「良かった、ちゃんと使ってくれて嬉しい」

 「時間には触れなくていいか……」

 6時43分「あ勉、もしかしたら今日学校休みになるかも、結構雨降ってるから」


 確かにこの窓の外を見てみると土砂降りの雨が降っているのが見える。確か大雨警報とか大雨洪水警報とかが発令されても休校にはならなかったよな、休校になるのは強風注意報や強風警報が出た時っていうのをどこかで聞いたことがある。


 6時45分「絵美、休校になるのは確か強風注意報とか警報とかが来たらだった気がする、大雨とか洪水警報が発令されても休校にはならないかもよ」

 6時46分「強風注意報なら出てたよ! もしかしたら休みになるかも!」


 6時46分「おお、それならもしかしたら休校になるかも」


 ならなくても短縮授業とかになる可能性がある。

 6時50分「学校のアプリ開いてみて! 休みの連絡が来てるよ! やったー!」


 開いてと書かれていたので開いてみると、本当に学校から休校の連絡が来ていた。不要不急の外出は避けて自主学習をしていてください、か。


 6時51分「もしよかったら電話で勉強教えるけどどうする?」


 6時53分「じゃあそうしてほしい!」

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