第26話 【アンバランスらしい】
フローラとのやり取りは終わり、ベッドに横になった。
そろそろ寝るか――と思ったが、
(寝る前に今の
【個体名 : 三浦 優里】
【レベル : 16】
【種族名 :
【得手 : 】
【不得手 : 】
レベルは16……か。
この世界の基準がわからない以上なんとも言えないが高くはなさそうだ。
それにフローラは俺のレベルは活躍度合いで再評価すると言っていたから、
他の者達と全く同じ強さってわけではないんだろう。
明日エルフィナとリリアのレベルも見てみようかな。
そんなことを考えながら眠りについた―――
次の日の朝、エルフィナ、リリアの2人と俺の部屋で合流した。
「今日の朝食はどうする?
朝は食堂もやってないし……
ブラックウルフの干し肉ももうほとんどないでしょう?」
ふむ、そろそろ食料を買い揃えに行くべきだろうか……
「あ! そういえば!」
「急にどうしたのさ。
びっくりするねぇ」
昨日フローラとやり取りしてる最中に、面白いものを見つけたことを思い出した。
「あれと、これと―――」
「え、何この……鉄の塊?」
この世界に来たばかりの時、肉や野菜等の食材を出せないのは確認済みだった。
しかし昨日見つけてしまった。缶詰やレトルト食品なんかを。
どうやら加工品なら良いらしく、ゲーム内に存在する加工品はほとんど出せるようだった。
「これは缶詰といって、俺が住んでいた国にある保存食みたいなもんだ。
あとこれはこの街にも売ってるようなパンだ。
沢山あるから好きなだけ食べてくれ」
今回取り出したのは、焼き鳥、蜜柑、あとは食パン。
そう、食パンも出せるのだ。
レトルトの白米もあったので、
生食可能な卵さえ手に入れば、この世界でも卵かけご飯を食べれるのである。
そう、卵かけご飯である―――
缶詰の蓋と食パンの袋を3つずつ開け、
紙製のフォークも取り出しテーブルの上に置く。
2人は食べずに渋っているので、俺が先に食べ始める。
「いただきます! ―――うん、やっぱり美味い! 懐かしい味だなぁ」
俺がそう言うと2人も食べ始めた。
「こえ、おいひいあね!」
「おいエルフィナ、食べるか喋るかどっちかにしてくれ。
行儀悪いだろ」
「ごめんなさい。美味しくてつい……」
「うん。確かにこれは美味しいねぇ。
本当に保存食なのかい?」
「パンは違うけど、焼き鳥と蜜柑は保存食みたいなものかな。
それにしても、気に入ってもらえたみたいで良かったよ」
「ヤキトリとミカンって言うのね。これはハマっちゃいそうだわ!
パンも凄く柔らかくて美味しいし!」
朝食を食べながら、思い出したように2人の強さを確認してみる。
確か相手を意識すれば見れるって言ってたよな。
【個体名 : エルフィナ・ウィンディア】
【レベル : 57】
【種族名 :
【得手 : 魔術、弓術】
【不得手 : 近接戦闘】
ウィンディアって……エルフィナの話じゃこの国の王族もそんな名前だったような?
でも貴族って確かミドルネームとかあるんだよな…?まあ今は良いか。
レベルも57、俺のレベルよりも全然高い。
次にリリアの方も見てみる。
【個体名 : リリア】
【レベル : 92】
【種族名 :
【得手 : 魔術、剣術】
【不得手 : 遠距離戦闘】
レベル92って……エルフィナのほぼ倍だし、俺の10倍以上なんだが。
このパーティー、転生したてとはいえ俺弱すぎるだろ―――――
廃ゲーマーの俺は、異世界に転生させられるらしい 夜盗 @tadano_yatou
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