第25話 【なんちゃって帝王らしい】



 女神様―――もといフローラに言われた通りにメインメニューへ戻ると、

 スクリーン右上に恐らく俺の物と思われる自身の情報が表示されていた。


《これは?》


 直接見れば大体わかるのだが、流れ的にも一応フローラに聞いてみる。


《えっと、これはね。

 君の今の評価レベルなんかが表示されているわ。

 それともう1つ、今のはあなたの評価を見る方法なのだけれど、

 それとは別に君の視界内にいる相手を少し意識することで、

 その相手の情報も見ることが出来るわね》


《え? 自分と相手の評価戦闘力を見れるってことは、あの有名な

 私の戦闘力は53万です………をリアルにできるのか?!》


《発想がちょっと気持ちわr…面白いけど、

 まあ大体そんな感じよ》


 なんか今酷い事を言いかけているような気がするが、今回は何も見なかったことにする。


《あ! でもね! 1つだけ気を付けてほしいのは、

 自分自身の評価を見ることは出来るし、相手の評価も見ることが可能だけど、

 決して表示される評価レベルの優劣だけで強さが決まるわけではないってことよ》


《それは――……ああ、なるほど。

 仮に相手の純粋な力が俺より下だったとしても、

 扱っている武具含めた強さが俺よりも上だった場合なんかには負けるかもしれないってことだな》


《そういうこと。

 だからその辺りは十分に気をつけてね》


 ふむ……これは難しいな。

 自分自身、或いは相手のその時点での身体能力の総合評価を確認することは出来るけど、

 そこまで正確な情報にはならないってことか―――



《まあ上手いこと使ってみるよ。ありがとう!》


《ふふっ、良いのよ。

 あ! まだあるんだった。

 君の評価に関しては、君のその世界での活躍度合いで不定期に私が再評価するかな。

 それと、確認するまでもないけれど、ちゃんと説明してなかったから一応、

 君自身の情報を確認するのは簡単、

 メインメニューを開けば右上にズラッと出てくるわ》


《至れり尽くせりだな。

 本当にありがとう!》


《"いつでも"天界から見守ってるからね。

 頑張ってねユーリくん!》


 強化自体はとても有り難いのだが………


 いつでもって……女神ってそんなに暇なんだろうか―――

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